パロミノの心臓

2020/01/08
涙が儚いと誰が決めた‖残された者が感じたのは、無念だった。あの二人は、お互いを愛していた。番などという言葉では足りない、それでもって二人でやっと一つになれたような存在だった。彼が死んでしまった彼女に向けられた目は、同情だったかもしれない。しかし彼女は悔やんだりしなかった。ただ、先立った彼を思い、己が死を遂げるまで彼の意思を継ごうと決意したのだ。
その全てを知るものはかく語りき。
――彼女は今までずっと幸せでしたよ。誰よりも、何よりもずっと。

二人は、二人いてやっと一つになったようなものだった。周りはそう思っていた。彼女はどうだったか、今ではもうわからないが。



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