記録 落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する2021/04/10 あなたの背中を裂いてあげる。外気に晒される血は天に昇り、空気へと溶けるでしょう。熱い血潮はあなたが感じられない己の熱を自覚させ、影を浮かび上がらせるでしょう。いつか血は流れなくなり、それでも微かに盛り上がる傷痕をあなたは愛するでしょう。忘れてはだめよ、ただそう思うの。何かは分からないけれど。ナイフを持つ手が震える。‖ここの楽園には冬しかない。割れた土地に草木はなく、根すらも枯れている。命など芽生えない。そして私一人だけ。今日も冷たい空気が私の油分を奪う。吐き出した息は白く。作った料理はどんどん冷めていく。そうして一日を終え、外へ出て日の光を浴びる。あたたかさを感じられるのは日没だけだ。ここには冬だけが存在している。 ;prev or next ☂top page |