記録 ルルイエにだって暖炉はある2020/01/10 彼らと彼らを取り巻く世界についての考察‖夏の蒸し暑い夜、リンリンと鈴虫が鳴いてゐる。どうやら番を探しているようだつた。 幾年この囀りを聴いてゐるかはもう定かではないが、私たちが美しいと思い情緒を感じるこの声は彼らの一生なのだ。魂の叫びなのだ。 また、蝉も同類である。ジワジワジワ、ミンミンミンと多種多様に夫婦を探してゐる。我々のように惰性に過ごし気付けば伴侶を見つけているのではなく__まぁ近頃は恋愛婚という言葉も在るが__彼らは自らの命が尽きるその前に、まず一度命をかけるのだ。 それのなんとまぁ美しいことか。我々の美徳にはない考えである。 ;prev or next ☂top page |