ルルイエにだって暖炉はある

2021/05/24
死魚 shigyo‖お前を抱きしめると、背中に刺さっていた針金が溶けて消えるような心持ちがする。お前が、お前のすべてで私を労ろうとしているのが分かる。お前に惹かれてゆく。お前が堪らなく欲しい。そしてお前に与えてみたい。お前は優しく、不可解に、私を迎え入れるから。意外にも私はそれらを恐れてはいない。だが、お前を愛することは、認めることと同じだ。かつて、見て見ぬ振りをしてきた空虚さを。早足で通り過ぎてきた寂しさを。失うものは何もないと言いながら捨ててきたすべてのものを。私はそれこそが恐ろしい。私はあまりにも長く独りで居過ぎたのだ。誰もが生まれたときから受け取っているものを、何ひとつ与えられなかったと認めるには、あまりにも長い時間。誰が答えられよう? 私のこれまでの人生は、何であったのかという問いに。既にお前なしでは呼吸もできない。


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