4分33秒のテディベア

2021/05/23
男の来訪‖信じるものだけが真実なのだ。彼の骨ばった指がマグを支えているのは不思議だ。ミルクは入れないかもしれないが、ティーカップの折れそうなハンドルを抓んでいる方が似合うと思った。それとも、繊細なファイアンスに対する哲学的批判さえも、彼にとっては切り離したい重荷でしかなかったのか。マグの素朴な温もりを両手に受け止める。彼と同じものを飲食することが、彼への理解になるわけではないのだが。



prev or next
top page