落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する

2021/01/22
追う背が見えなくなったのは、あなたが遠く先へ行くからではないかもしれない。‖彼は僕の部屋のカーテンをざくざく切ってしまうと、開けた窓から手を伸ばし、夜を取ってカーテンに縫いつけはじめた。夜はだんだん減って行き、やがて窓の外はすっかり朝になった。


2021/01/21
非晶のころ‖あなたは水をくれた。あなたは温度を分けてくれた。あなたは夢を与えてくれた。うそっぱちだらけの、鋭利な、最もうつくしく、最も悪い夢を。あなたはわたしを人間にした。あなたは別れを「まぼろし」だと教えてくれた。夢から醒めたとき、わたしはこの邂逅こそが「まぼろし」だったのだと知った。


2021/01/20
きみがテザートのいちごならぼくは気持ち程度に添えられたマッシュポテト‖欲するってだいじなこと あたしの生きる原動 なんにもいらなくなって、なんにも堪える必要がなくなった そんな日にはきっとあたし干からびて死んじゃうね しんじゃうからね


2021/01/19
301号室のユニットバスにはシーラカンスが住みついている‖ジュースをつくるみたいに、わたしの不要物を取り除いて、きれいな気持ちだけをぎゅっとあつめて。そうして貴方に贈ります。


2021/01/18
さよならの散りばめ方も人それぞれ‖スリッパの左右をまちがえた時のような違和感が すこしずつ すこしずつ 積み重なって ちいさな塔になるころには あなたはもうきっと此処まで上っては来れないでしょう


2021/01/17
基本のきりん‖足元を見てごらん。ぼくらは秩序と混沌のあいだにいる。それは還らない永遠、終わらないメルカトル、夢にまで見た酔いそうなほどの黒 黎 くろ 玄 クロ 苦労とほんの少しのコドク、それからO2のやわらかさ 愛してしまった 無重力の冷たささえも


2021/01/16
駄目になる覚悟‖曖昧な温もりが とびきりふわふわとしたものが ある日ぼくらふたりを化けものにした 春の陽気のせいだか 花の香りのせいだか もう今となっては思い出せないけれど


2021/01/15
切なくてくるしくなる。雨がやんでいないこと。‖またどうしようもない気持ちに罹った。千年前の事を、一億光年先の事を、ふと思って懐かしく孵化した。天気がどうあっても、きみの魂はきみのまま進む。千年前も、一億光年先も。


2021/01/14
無秩序の刺激‖四肢が弾け飛ぶ白いチョークの爆弾が投げられた(そう此れは物理的だね。) 続いて裏切り者の男がひと言、貴女は下から数えて2番目の女(そして其れは心理的。) 瞬く間に四肢爆発


2021/01/13
ところにより悲劇‖ズドンと突き落とされた月、正義の味方は遅刻魔で嘘つき、もう男も女も小部屋を救えない。昨日の失態でついに混沌は生まれた。


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