黄泉竈食ひもカニバリズムもできるまなざし

2020/03/20
ふたりは宝石になる‖「難しい言葉なんて使わなくても、忘れたりしないよ」きみが笑ってわたしを撫でた。そうか、そうだった。心はいつでも簡単なことが複雑に絡み合ってるだけなんだ。解きほぐしてしまえば、愛しいきみがいた。


2020/03/19
きみの為だけの酸素になりたい‖僕の肺に落ちていた星はもうみんな死んでしまったので、しばらくはゆっくり眠れそうです。もう消えてしまったすべての星に、とっておきのおやすみなさいを。また春が帰ってくる時まで、次の花が僕の目からこぼれ落ちてくる時まで、さよなら、さよなら。


2020/03/18
心臓が沈んでいく様だ‖僕ら夜を駆け抜けるために創られた生き物、孤独な警告灯を見上げて白くなりかけた息ばかり吐く、筋肉はネオン、心臓と肺が一緒に光る、きらきら輝いてまたたくんだ。人はあふれ、摩天楼はどこまでも伸びてく。ここは少しずつ天国から遠ざかってく、この景色、忘れないまま死んでゆけ。


2020/03/17
砂浜に雪‖凍った鯨の喉に宿った、月を取ってと私は泣いた。生きていくために夜が終わって、死んでいくために朝が終わるの。月が満ちたら誰も終われない、月が欠けたら誰も生まれない。あきらめは静寂の中にある。涙が止まって私は静か。はらんだ月が明日満ちるの。十月十日の海が終わるの。そして私は海に帰る。


2020/03/16
手を伸ばしても掴めない花弁‖余計なものみんな壊してあげたかった、だけど僕の腕は二本しか無かった。君は今日も遠い月の中で夢を見る。久しぶりに砕いた星のかけら、まだあったかいんだ、受け取ってくれる?この不器用で無様な僕を、不自由な肉の檻に入ったままの僕を見て、笑ってくれるといいんだけど。僕は早く透明になりたい。


2020/03/15
忘れたっていいなんて、嘘ばっかりだ。君だけのわたしで居たかった。‖「君がよければなんでもいいよ」ってわたしはいつも言うけど、嫌われたくないから言ってるんだってバレてると思う。だからきみはいつも、わがままを言ってくれる。そうやって心を読んだ気でいるのがお互いにすきなんだね。なんでも知った気でいれば、怖いことなんて何もないし。きみもわたしも、本当は何も知らないのにね。


2020/03/14
頸をなぞる‖話すために、食べるために開いているこの器官は二枚貝みたい。誰かと触れ合うと勝手に愛しさが増すようにできているのはどうして。冬は乾くの、あなたがいても。柔らかくて簡単に破れる薄い皮膚でできているから、神経も透けているみたい。この皮が新しくなったらまた、違う人の愛も受け入れられるの。


2020/03/13
孤独な蛍光灯‖あたたかいきみのおなかのなかに、わたしは還りたかった。こんなつめたい世界じゃ生きていけやしないよ。きみはどこにいったの。


2020/03/12
ブルー、サイレント、ブルー‖僕らの愛はガラス製、いつ砕け散ってもいいように覚悟してるんだ。だって絶対の明日なんかないし君はとっても気まぐれ、朝には笑って夜には泣くの。ねえ、今夜の空はとっても青いよ。君の涙と同じくらい青いよ。本当だから、見せてあげるから。僕が会いにいくまで、その涙流してしまわずに待っていて。


2020/03/11
波音がきこえない‖たいせつなものだけをだきしめていよう。なくしたくないものだけつないでいよう。はなしたくない手をちゃんと握って、朝を待とう。きみのひとみにうつるそらのいろを、ずっと覚えていよう。それだけできっとつよくなれるよ。


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