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特に買いたいものがあるわけでもなく、寄りたい場所があるわけでもなく。ほんの気まぐれで家から出た俺は意味もなく街をふらふらしていた。時間だけがのんびりと過ぎていくが、外は綺麗な青空と輝く太陽に照らされていて、そこに居るだけでなんだか気分がよくなる気がした。

ぐうう、なんて腹の虫が鳴く。時計を見れば時間はお昼時で、もうそんな時間かと思う。どうやら随分とまったりとした時間を過ごしていたようだ。浪速のスピードスターの名が廃るっちゅー話やけど、まあたまにはこんな日があってもいいだろう。
とにかく今はこの鳴き続ける腹をなんとかせな。近くに何かファーストフードの店でもなかったかと辺りをキョロキョロと見回す。
その時ふと反対側の歩道に居た一人の少年と目があった。

相手はすぐに目をそらしたけれど、何故だか俺はそいつから目を離すことができなかった。
少しの間その少年を眺めていると、そいつは困った顔でキョロキョロと辺りを見ている。

なんとなく察した。すぐ側の信号が青色に変わったのを見て、ナイスタイミングなんて思いながら道路を渡り、未だに周りを不安そうに見ているそいつに話しかけてみた。


「なあ、どないしたん?」