強く生きろ name 1 母親は小さい頃に亡くなり、父親に育てられたのも束の間。 再婚相手にいびられ、あげくにはその相手との間に子供が出来た。 私の存在は今誰にも必要とされていないのだろう。 そう思うと全てが嫌になった。 弟である小さい男の子は、何の疑いも見せずに私を姉と慕ってくれてはいるけれど。 いつかはきっと、君も私を見限るのでしょう? 下に広がるのは地面。 上に広がるのは青空。 このまま空を飛んで行ける事ができるのならいいけれど、人は重力に逆らう事はできない。 だから、とりあえず私は地に落ちようと思います。今は亡き母に会えたらいいなとは思うけれど。 今はもう、その母親の顔だって思い出せません。 一歩進ませた足は空を切り、そしてそのまま私は地面へと落下する。 最後に聞こえたのはお姉ちゃんと叫ぶ弟の悲痛な叫びと、現母と父の、私の名前を呼ぶ声。 そして、頭から吹き出る血を私は何故か上から見て、そしてそのまま気を失った。 → |