強く生きろ name
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真選組の奴らとはとことん馬が合わねーらしい。
陣地争奪戦やらなんやらといって叩いてかぶってじゃんけんぽん大会をすることになったはいいものの、気づけば多串君と二人でとことん飲み明かしていたらしい、目を開けると空が見えた。


「あ、坂田さん起きましたね?」


朱理のやつが面白そうに真選組の奴らと笑っている姿が目に入った。
その手にあるのは酒の缶と、あいつが作ってきた弁当に入っているのだろうおにぎりだろうか。


「ってて...」


上半身を起こし、髪を何度かかく。
周りに目をやれば、未だに戦っている神楽たちに、白目になって倒れている妙のストーカー、そしてゴロツキのような顔をしている真選組の奴らと面白そうに話している朱理がいた。


「坂田さん、お水入りますか?」


そう声をかけてきた朱理に頷き、差し出された水を一気に飲み干す。
あー喉かわいてた。潤っていくのがすぐにわかる。

飲み終えたコップを朱理に返し、よっこらせと言いながら朱理たちの近くへと這いずっていけば、新八が皿と箸を手渡してくれた。


「朱理さんのお料理、美味しいですよ、銀さん」

「おぉ、だろうな」

「朱理さん、ぜひ今度料理教えてくださいな」

「いいよ〜私も最近料理できるようになったんだけどね」


最初は借りてきた猫のようにおとなしくただ笑っていただけの朱理だったが、俺が寝ている間に妙と仲良くなったのか、いつの間にかタメ口で話してるし、さすがはスナックで働いてるだけあるのか、周りの男どもとの距離の縮め方も半端ないし。俺は思わずやるね〜なんて呟いた。

それが聞こえたのかわからないが、朱理は俺の目に自分の目を合わせてニヤリと笑うと、俺の持つ紙皿に卵焼きやら昆布巻きやら何やらを置いていく。


「はいどうぞ、坂田さん」

「...おう、あんがとよ朱理ちゃん」




俺がこいつと出会って、早3年ほどは経っているのだろうか。
初めて会った時はまだ20になる前だった朱理。それが今や成人し、お酒も合法的に飲める年になっていて。
あの頃はまだあどけなくて垢抜けていなかったから、ふざけてちゃん付けて呼んでいたのだが、今じゃもう大人だ。いい加減朱理ちゃんという呼び方もやめたほうがいいのではないのか、何て考える今日この頃、いかがお過ごしですか、とか頭の中で言っちゃって。



「真選組の皆さんも大変なんですね〜」

「そうなんだよ〜朱理ちゃん、すごく話しやすくていいねー俺いっぱい言っちゃうよ」


何杯ぐらい飲んでるのかわからないが、顔色を全く変えずに、態度も変わらずに話す朱理に、俺は思わずふっと笑みを浮かべた。いやー...末恐ろしいガキだな、本当に。


「朱理さんの作るお料理もとても美味しいですよ、あ、俺の名前は山崎って言います」

「ありがとうございます、山崎さん。最近やっと料理できるようになってきたんですけどね」

「えー絶対嘘だよーめっちゃうまいもん!!」

「教えてくれるおかみさんが上手なんですよ」



酒を飲んでテンションの高い男たちを上手に扱うのもさすが長年スナックにいるだけはある。いつの間に起きたのか、あの多串くんでさえ、美味しそうに酒を飲んでいるし。


「おいおい多串くん、いいのかな?あんなに潰れてたのにまた潰れたいのかな?」

「あ?それを言うならてめーもだろうが」

「あ?やるか?あ?」

「上等だコラ」


と、いつものパターンでこうなるのもわかっていて。
呆れながらも、コップに日本酒を注いでくる朱理にありがとよと一言お礼を言い、また多串くんとの飲み比べが始まった。

一口酒を口に含む。乾いている喉に熱い酒がグイグイと押し込められていく。
これがまたいいんだよなーと思いながら、プハーッと一気に飲めば、笑いながらすぐにまた次の酒を注いでくれる朱理。


「朱理ちゃんの入れる酒はやっぱりうめーな」

「またまた。坂田さんはそういうのばっかりですから」



それでもやっぱり、可愛がってる妹のような奴に入れられる酒はうまいものだ。







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