強く生きろ name
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ある日、スーパーでお買い物をした後になんとなく寄ったお花屋さんで、薫さんに遊園地に行かないかと誘われた。

「遊園地ですか...!?」

「えぇ、ちょうど仕事先でもらってねん...朱理が良ければだけど、一緒に行かないかしら?」


薫さんはお花屋さん以外にも仕事をしていると以前言っていたから、もしかしたらそのことかもしれない。薫さんが差し出したチケットを眺めながら、私はちらりと彼女の顔を見上げる。


「...私でいいんですか...?」

「なぁに?私とじゃあ楽しめないかしら?」

「そ、そんなこと...!!是非一緒に行ってください!!」

面白そうにクスクスと笑った薫さんの綺麗な笑顔を見つめながら、興奮気味にそういえば、彼女は目を細めて、それじゃあ次の土曜日に、といってアメを一つくれた。



「なんだい、遊園地に?」
「はい...!!」
「朱理、イツノ間ニ彼氏がデキタンダヨ」
「彼氏なんかじゃないですよ!!」
「むしろ彼氏じゃないのかい...」

薫さんにもらったアメを口に含みながら、お店の準備をする。薫さんに遊園地に誘われたことをいえば、カウンターで仕込みをしているお登勢さんが呆れた顔をしながらそう呟いた。カウンターに座ってるキャサリンさんは、仕事をしろとお登勢さんに頭を叩かれて立ち上がり、ニヤニヤ笑っていた。


「イーヤオカシイデスヨお登勢サン。モシカシタラ嘘ツイテルノカモシレマセーン」
「キャサリンさん!!本当に彼氏なんていませんってば...!!」


からかうようにそう言ってくるキャサリンさんにそういえば、お登勢さんはため息をつきながら「手を進めな」と言ってきた。その言葉に、私たち二人は慌てて手を動かして掃除を進める。


「彼氏だろうとなかろうと、気をつけて行ってくるんだよ」


お登勢さんは私の方をちらりと見て、優しい笑顔を浮かべながら、そう言ってくれた。


「はい..!!」


初めてのお友達と、初めての遊び。
こんなにもウキウキするのなんて久しぶりで、遠足前の小学生のように私は眠れない日々を過ごしたのだ。





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