10
無事に期末試験も終わり、晴れやかな日差しのもと私達は毎年恒例のように話しながら廊下をゆっくりと歩いていた。
「どう?できた?」
「今回薬草学難しくなかったかしら?」
「あーわかる。教科書1ページにだけ載ってる単語出されてたね」
「ヒヨリわかったの?」
「うん」
「流石だわ…私他のもわからなかったのよね」
すると、後ろにのそのそと歩きながらついてきていた双子達が急に、あーー!と、さけぶ。驚いて3人で振り返れば、迷惑そうな顔をしたタイリーがジロリと二人を睨んでいた。
「うるさい」
「なんだよフレッド、ジョージ、びっくりしたー」
「もう期末試験は終わりだぞ?」
「どうしてアンジー達はまだ試験について話しているんだ?」
「復習は大事でしょ?」
「これっぽっちも!」
「大事じゃない!」
こいつら断言しやがった。私とタイリーはポカーンとしたまま口を開いて二人を見る。リーは腹を抱えて笑うし、アンジーとアリシアに至ってはこりゃダメだとでもいうかのように首を横に振っていた。そして急に走り出した双子をリーが追いかける。期末試験に解放された人に溢れてる廊下は、誰も二人を咎める人はいなかった。
タイリー以外には。
学年末パーティーが終われば後はまた、夏休みだ。パーティーの途中までスリザリン一色だった大広間は、ハリー、ロン、ハーマイオニー、そしてネビルのおかげでグリフィンドール色の赤色に変わって。そして久しぶりに、グリフィンドールが優勝を手にしたのだ。
私達が入学して初めての優勝だ。自分たちで失った点数を自分たちで取り返したハリー達に声をかけて、そしてハーマイオニーは、泣きながら私に抱きついてきた。
「おめでとう、ハーマイオニー」
そう言えば、ハーマイオニーは泣きじゃくりながら、私の胸に顔を埋めていた。
今年もあっという間に終わった。キングスクロス駅に着いたホグワーツ特急から降りてホームでアンジー達と駄弁っていれば、ハーマイオニーがわざわざ私のところまで挨拶をしに来た。
手紙送るわね、その言葉に笑顔で頷いて親の元に走っていく彼女を見送る。そしてアンジー達ともお別れをして、私とタイリーは、日本に戻るために使用人の姿を探す。
見つかった使用人とともにホームを歩いていれば途中会ったハリーが暗い顔をしていたので、お手紙送るねと言うととても可愛い笑顔を見せてくれた。
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