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いつだって、 ヒヨリとタイリーが一緒にいるのを見てきた。ヒヨリが石になったときだって、タイリーはずっとヒヨリの事だけを考えて過ごしていたのだ。
そんなタイリーをずっと見ていた。タイリーが倒れたときのヒヨリの心配の仕方、ヒヨリが石になったときのタイリーの心配の仕方。
あれを見てもなお、二人はなんでもない、主人と使用人だけの関係だと誰が言えるだろうか。
あの二人が想い合っているなんて、誰が見ても事実じゃないか。
あの二人の幸せを祈って、何が悪いのか。
きっと、私たちの考えは一致してる。
学年末パーティーが終わり、無事に期末試験と追試も終わって(数ヶ月寝ていたのにヒヨリはテストを最後までやりきっていた)、私たちはホグワーツ特急に乗っていた。
一つのコンパートメントに狭いながらも7人で独占だ。
ヒヨリが石になった時だとはいえ、勝手に彼女の過去を知ってしまったわけで。私たちはその話をするために、集まっていた。
「全然いいんだけどね。いつか、話をしようと思っていたし」
タイリーの隣に座って、そう話すヒヨリを見る。
「タイリーは、どうしてヒヨリの使用人をしているの?」
アンジーが、そう問いかけた。ヒヨリの前に座っている私とアンジーの隣にはフレッドとジョージが座っていて、キツキツだ。
「タイリーのご両親も死喰い人によって殺されたんだよ」
ヒヨリの言葉に、私たちは言葉をなくす。
「Mr.シェバンは日本の守護魔法を勉強するために日本に留学してたみたいだよ。その時に、日本の魔女と結婚してタイリーを産んで、闇の魔法使いに狙われて息絶えたって」
「その時に、陸奥村家の当主であるコトヨ様に拾って頂いたんだ。...コトヨ様には命を助けていただいたご恩がある。だから俺は、ヒヨリ様にこの身を賭してもお守りするんだ」
寂しそうにそう笑うタイリーとヒヨリ。
二人は両思いだ。
お互いに好きだとは言わないが、それでもお互いがお互いを思ってることなんて見ててわかる。そんなの、誰が見たってわかるはずだ。
ずっと不思議に思っていたんだ。どれだけ使用人と主人の立場だからといっても、家の人間が居ない学校でどうしてそれを越えてはいけないのだろうかと。
誰もいないならばれない様に、付き合ってしまえばいいのにと。それはきっと私だけじゃない。フレッド達だって思ってただろうと思う。
だけどそこには、2人以外が考えられるような余地なんてないほどに、この2人を純血主義というしがらみが絡み付いて居たのだ。
私たちにはわからないものだ。
きっと、立ち入る隙間もない。
だけど、親友である二人の幸せを祈ることはいけないことだろうか。二人の幸せが同じ幸せになる様にと願うことは、いけないことなのだろうか。
きっと、いけないことなんかじゃない。
私たちは皆、ヒヨリとタイリーを見つめていた。
この二人が大好きだからだ。不意に伸びた両手は、タイリーとヒヨリの手を握った。隣に座るアンジーも同じ様に二人の手を握る。
フレッド、ジョージ、リーも。二人の手に自分の手を重ねた。
二人を中心に、私たちの手が重なり合う。想いは届いているだろうか。きっと届いていると思う。それでも二人はそれに気づかないふりをするんだろう。
それでもいいと思った。今はそれでも、いいと思った。
だけどいつか、彼女たちが気付いてくれる様にと。
いつか、お互いが幸せになれる道に進んでくれる様にと。
私たちは同じ願いを、二人に託したのだ。
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