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「それでは、新稲さん、あなたの進路を教えてください」


卒アル写真を撮りおわれば、次はもう進路の話しだ。


「殺せんせー、私決めました」


何度も私は思った。だけど、自分の問題を解決しない限りは難しいと気づいた。殺せんせーに相談した。そして、私はやっと意を決して進路を確定しようと思えたのだ。

父親を尊敬している。母親も、尊敬している。殺せんせーも、尊敬している。
私はきっと、こうなるべくしてこのクラスに入ったんだ。


「数学者になります」


殺せんせーを助けると決めた時、私はこう言う風に人を助けるためにこの頭を使いたいと思った。


「えぇ、きっと貴女にはそれが似合っている」


殺せんせーはそう言うと、触手をゆらゆらと揺らしながら、私の頭にそれをぽんと置いた。


「良い数学者になってください。良い計算をし続けてください。貴女の計算は、人を救う事ができます。もしも解けない問題にぶつかったら、このクラスで、貴女の計算、助けられたことがある人達が、たくさんいる事を思い出してください。貴女の過去が、未来の貴女を、助けるはずです」


なぜ、父親も母親も、そして殺せんせーも同じことをいうのだろうと思った。
それは、この人たちも同じように過去の答えが助けてくれたからなのだろう。過去を思って、後悔して、そうやって何度も修正して生きていく。私はそれを、数学という力で手助けしていきたい。


「はい、頑張ります。それじゃあまた明日、先生」
「はい、さようなら」


ニコニコと笑っている殺せんせーに手を降って、私は教室を出る。ちょうど次の番だったらしい莉桜に「スッキリした顔してるじゃん」と言われた。


「決めたよ莉桜」
「ん?」
「私、数学者になるわ」
「...うん、サチっぽいよ、それが」


親友にまでそう言ってもらえたんだ、たくさんたくさん、頑張っていこう。






家に帰り、お父さんと2人で分厚い参考書を眺めながら数学を解いている時だった。家の外からなにかまばゆいものが光った。慌てて窓に近づいて見て見れば、その光の柱は山の方から出ていた。


「あそこは...サチの教室があるところじゃないかい!?」


慌てたようにそういうのはお父さん。私は携帯を取り出し、律を呼び、指示を出した。


「なにがあっの?」


まだ外を見ているお父さんにはバレないように、私は静かにリビングを出て、上着を取りに行った。


「マスター、烏間先生からのメッセージです」


律の言葉に画面を見れば、烏間先生からの自宅待機命令。どういうことだと思っていても、政府からの命令なら何もできない。

あいも変わらず無力な自分に、吐き気がした。









次の日、できるだけ早く学校に向かえば、クラスの皆も同じことを思っていたようで、携帯を持ちながらそこに立ち尽くしていた。


「皆...!」
「サチ!」


山に向かう一本道が、装甲車両によって封鎖されている。自衛隊もそこかしこにいた。
莉桜の隣に立ち、私は律を呼び出した。


「殺せんせーはどうなってるの?連絡は?」
「マスター、申し訳ありません。教室にある私の本体も連絡がつきません。山につながる通信や電源は全てカットされているようです」


思わず呆然とした。


「私の家学校に一番近いんだけどさ、国から避難命令出てるんだ。兵隊さんが大勢いる。多分この小さな街で...1万人はすまないよ」


不破さんの言葉に、私は携帯を強く握りしめた。
甘かった、計算が。私たちが安心しきったところで、政府のことを考えていなかった。率がテレビ画面を取り出し、全員に見るようにと言った。皆で小さい液晶画面を覗き込めば、写っているのは総理大臣。

巨大光線と光のドームは、超暗殺平気によるものであり、この平気が狙っている標的こそが月を爆発させた元凶なのだ、といこと。

とどめのレーザーの発射日は3月12日。地球が滅ぶかもしれない日の前日だ。


「...何勝手に決めやがんだ...ふざけんじゃねぇ!」


寺坂君の言葉に、全員が走り出す。こんなところで殺せんせーを殺させてたまるか。

最後のミッション、殺せんせーを暗殺するまであと、7日間!

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