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「...覚悟はできたかモンスター」


寺坂くんと殺せんせーが向かい合って話をしている。私たちはプールの中に入って、それを見守る。

寺坂くんの持っている銃は何に使うものなのだろうか、殺せんせーをプールに落としたいのであれば銃なんて全く意味のないもののはずだ。

むしろ物理的に落としにかかった方が手っ取り早い。


それなのに、私たちを全員プールに入れた上で、銃を見せびらかすかのように先生に突き出す寺坂くんがとても不思議で。

私は一人頭をかしげてそれを見る。




何かがおかしいと、頭が言っていた。


「(考えろ...数学者の娘だろ、この場の何がおかしい...?)」



少ない動きであたりを見渡す。プールにまばらに散っているクラスのみんな。水着に着替えない寺坂くん。

そして意味のない銃。

要素はたくさんある。それらを繋ぎ合わせて出てきた一つの可能性は。


「(...スイッチ...?)」


あの銃は何かのスイッチなのかもしれない。
もしスイッチだとしたら何のスイッチなのか?

はっきりって、そんなスイッチつきの銃なんかを寺坂くんが作れるとは到底思えないけれど、もしもの可能性として考えを進めよう。

私がもし、あの場に立って先生を殺すためにスイッチを押すなら。



「ずっとてめーが嫌いだったよ。消えて欲しくてしょうがなかった」
「えぇ、知ってます。暗殺の後ゆっくり二人で話しましょう」



プールを壊す。



「...!!」


寺坂くんと先生が何かを話しているのを尻目に、私は叫んだ。


「全員今すぐプールから上がって!!」


それと同時に聞こえる爆音に、私は水にのまれていった。




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