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次は、上に行くための階段のチェックをするために、女子全員でクラブのような店の中に侵入した。
男子は監視が厳しいという理由で、私たちが潜入捜査という形で入ることになったのだ。
「渚くんかわいいね」
「本当にね」
「やめてよ新稲さん、速水さん!!」
男のはずなのに渚くん、めちゃくちゃ可愛かった。
とりあえず渚くんをナンパしてきた男のところに預けて、私たちは階段のセキュリティを見るために歩き出す。すると、どこからやってきたのかまた男が二人出てきて、それをいなすために矢田っちがビッチ先生から借りたというヤクザのエンブレムを見せて、その男たちを退散させる。
「矢田っちは確かに、クラスでも一番ビッチ先生の話聞いてるもんねー」
「まぁ、色仕掛けしたいわけじゃないんだけど、殺せんせーも言ってたじゃない、第二の刃を持てって。接待術も交渉術も、社会に出た時、最高の刃になりそうじゃない?」
そういった矢田っちはとてもかっこよくて、すごいなーと本当に心から尊敬した。
第二の刃、私は何が、第二の刃になるのだろうか。
とりあえず、裏口を確認すればホテルの人がそこで警備をしていた。どうしようかと話していれば、渚くんを追ってきたさっきの男の子がなぜか目の前でダンスを始める。
邪魔だなー...としらっとした雰囲気で見ていれば、その男の子は後ろに人がいたのに気付かずに、お酒を上着の上にこぼしてしまった。
そして絡まれるその光景を見て、矢田っちがひなたに声をかける。
ひなたは気付かれることなく、その男性の下に回り込み、綺麗な足技でノックダウンした。
すごい...!!
運動神経の良いみんなが羨ましい。
メグと速水さんと三人で倒れてきた男の人を受け止めて、床にそっと転がす。
「あの人急に倒れたみたいで...運び出してみてあげてよ」
矢田っちが階段の前にいたホテルの人を呼び出して、そのホテルの人がいない間、扉を開ける。男子が全員出てきて、すぐさま階段へと移りこんだ。
「危険な場所へ潜入させてしまいましたね。危ない目に遭いませんでしたか?」
殺せんせーのその言葉に、みんなでちっとも!!と答える。
うちのクラスの女子は、みんな肝っ玉が据わってるからね。
階段を上りきれば、そこはVIPフロアになる。これまですべて、自分で割り出したマップ通りで、自分で自分を褒めたいと気分だ。
そのVIPフロアにも当然警備員はいるわけで。殺せんせーは寺坂くんの荷物を見ながら、その武器が最適です、といった。
「おい木村、てめー1人ならすぐに敵とは思われねーだろ、あいつらをここまで誘い出してこい」
寺坂くんには何か手があるのだろうか、木村くんにそう言うと、カルマくんが木村くんになにやら耳打ちする。
そして、その明らかに強そうな警備員のところへと行くと、人の形してんじゃねーよ豚肉どもが、というおおよそ正義という名前に似つかわしくない暴言を吐いた。
思い切りダッシュして逃げる木村くんを追いかける警備員二人に向けて、寺坂くんと吉田くんの二人がスタンガンでその二人を気絶させる。
倒れこんだ二人の胸元を探れと言われた寺坂くんが胸元を探ると、そこから出てきたのは本物の銃。
それを見てゴクリと生唾を飲み込むと、殺せんせーは千葉くんと速水さん二人にその銃を持てといった。
「先生は殺すことは許しません。君たちの腕前でそれを使えば、傷つけずに倒す方法はあるはずです」
ドキドキしているだろう。
私にも聞こえてきそうな緊張した面持ちで銃を見つめる二人。
「さていきましょう、ホテルの様子を見る限り、敵が大人数で陣取っている気配はない。雇った殺し屋もせいぜい一人二人!!」
「おう!!さっさと行ってブチ殺そうぜ !!」
殺せんせーの言葉の後に、そう言った寺坂くんの額にはうっすらと汗が浮かんでいて、歩き出すみんなの後について歩き出した寺坂くんの服の裾を思わずつかんでしまった。
「...?どうした、新稲」
こっちを振り返る寺坂くんに、なんでもないと一言言って、裾を離す。
みんな先に進んでいるから、俺たちも行くぞと寺坂くんが私の手首を引っ張って歩かせたため、つんのめってしまったけれど、もう一度見上げた顔には汗は浮かんでいなかった。
疲れているだけ、かな?
そう思い込んで、今度はしっかりと歩き出した。
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