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烏間先生が檻を開けて私達全員を出してくれた。んーと腕を伸ばして首を回せば、寺坂くんがばばあかよと笑いながら言ってきたため彼の脛めがけて蹴ってやった。
簀巻き状態にされている死神にそっと近づく。顔の皮膚がなくて、まるで骸骨のようだ。思わず身震いをした。
「人間を活かすも殺すも…周囲の世界と人間次第…か」
死神の境遇を言った後に烏間先生がそう言う。その言葉に、殺せんせーは渚くんの頭をポンポンと撫でていた。
こつん。
不意に聞こえた石の音に、ひなたと前原くんがばっと後ろを振り返る。
「てめービッチ!」
「なに逃げよーとしてんだこら!」
「ひいい耳のいい子達だこと!!」
逃げようとするビッチ先生を男子が追いかけて捕まえる。投げやりになってるのかビッチ先生は大声をあげていて、思わず苦笑をした。
「いいから。普段通り来いよ学校。何日もばっくれてねーでよ」
寺坂くんがそういえば、次々に皆口を開く。特に女子からの言葉が多かった。
「続き気になってたんだよね、アラブの王族たぶらかして戦争寸前まで行った話」
「来ないなら先生に借りてた花男のフランス語版借りパクしちゃうよ」
矢田っちとメグの言葉に続いて、私と口を開く。
「相談とか色々したいんだからさ、先生」
ビッチ先生は顔をうつむかせて。彼女らしくない弱々しい声で言った。過去に色々やってきた。私たちの想像できないほどのやばいことを。だけど、それがなんだと言うのだろう。
「たかがビッチと、学校生活楽しめないで、うちらなんのために殺し屋兼中学生やってんのよ」
莉桜の言葉に、クラス皆で笑顔を浮かべる。
「そう言うことだ」
すると、肩に上着をかけた烏間先生が、一輪の花を持ちながらビッチ先生に近づいた。
「その花は生徒たちからの借り物じゃない。俺の意思で敵を倒して得たものだ」
烏間先生がビッチ先生に花を渡す。私達は皆その二人の光景に釘付けだ。
「誕生日は、それなら良いか?」
花を胸元でしっかりと握ったビッチ先生は、今まで見せた中で一番年相応らしい、そして可愛い笑顔で一言「はい」と言ったのだ。
もしかして、もしかして?とても良い雰囲気なんじゃないだろうか?私は寺坂くんの服の裾を握って彼の顔を見上げる。寺坂くんは、一瞬こっちを見て腰をかがめて耳元を近づけてくれた。
「うまくいったね」
あの二人をくっつけよう作戦、ついにうまくいったのかもしれない。そういえば、寺坂くんは小さく笑みを浮かべて「おう」と、そういった。
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