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受験時期も真っ只中。私は順調に成績を維持していて、先生にもこのままなら大丈夫だなと言われて。
私は別に良いのだ。問題は高尾君。
「んー...何となく分かるんだけど分かんない」
「もう一回説明する?」
「ごめん、お願いする」
もうそろそろ受験が始まる。高尾君の勉強の追い込みは今までよりも凄くて。
彼とこうやって勉強をする様になってはや4ヶ月。
こんなに仲良くなれた事実に私はびっくりして、そしてもっと彼の事が知りたいと感じる様になった。
「...一堂ちゃん」
「ん?」
「あれからお姉ちゃんとはどう?」
「あー...」
彼にそう言われて、私はノートを見ていた顔をあげる。
高尾くんはノートとにらめっこしながら未だにペンを走らせている。
「うん...前より仲良くなれた気がする」
「お、よかった」
その一言だけ、彼は笑顔を見せるために顔をあげて、またノートを睨み始める。
あぁ、こんなどうでもいい私の話を聞いてくれるなんて。
きっとだれにでも優しいのだろうけれど、それでも中学生の思春期な時期にしたら、それだけでも救われるというものだ。
「高尾君」
「んー?」
あぁでもないこうでもないと数式をつらつら書いて行く高尾君。
「ありがとう」
「...どういたしまして」
何も言わずに、そう言ってくれた。
「...どこが分かんないの?」
「ここなんだけどさ――――」
そして受験当日を迎えた。
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