ホワイトデー 結婚詐欺師編

(BSD結婚詐欺師)





「はい」
「……何ですかこれ」
「本当なら今日なんだろう、渡すのって」
「……だから何ですかこれ」
「菓子」
「……………………」
「大丈夫、何も入れてないから」
「その台詞とその目線の逸らし方とその表情で判るから!というか態とらしい!!」

「あの、口紅だけでいっぱいいっぱいなんですが……」
「まああれは接吻の為というか自分の為みたいな物だし」
「少しは下心を隠す努力をしたら如何です?」

〜帰宅後(今日は一人で夕食)〜
そう云えば菓子を貰った。恐る恐る開けてみると、中からポトリと何かが落ちる。
「……?」
拾い上げると、一枚のメッセージカードだ。

そのカードに書いてある内容を見て、一瞬首を傾げ―――記憶が頭をもたげて思わず声が出た。
「あの人……聞いて……っ!?」


『私達が恋仲ではないって、当然だよね。夫婦なんだから』

「だから……何でもないって云ったでしょう……莫迦」

 終

ツイート:2017.03.14
※料理の一件で食べ物に関しての太宰さんへの信用0
※一体何貰ったのかはご想像にお任せ

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