帰りが遅いのは心配


「半兵衛様、夢女は今日も帰りが遅いのでしょうか。」

「あぁ。もうすぐ文化祭だからね。放課後遅くまで演劇の練習をしてるらしいよ。」

「そうですか。」

「すまないね、三成君。店の仕事で君達に負担をかけてしまって。」

「そんな!全く問題ありません!」

「ありがとう、三成君。」

「しかし半兵衛よ…今日はいつも以上に遅いようだが。」

「そうだね、秀吉。…三成君、悪いんだけど、もし手が空いている様なら夢女君を迎えに行ってくれないかい?」

「お任せください!」

「ありがとう。じゃあよろしく頼むよ。」






「遠藤君、送ってくれてありがとう。」

「いや、いいよ。俺の家も夢野の家と同じ方向やし。」

「へーそうなんや。知らんかった。」

「………なぁ、…夢野は、文化祭って誰か一緒にまわるとか約束してたりする?」

「あ…すっかり忘れてた。してへんわ。」

「…彼氏…とかは?」

「は?おらんけど…」

「噂のイケメン彼氏は…」

「ちょっと待って!何ソレ!そんなのおらんし!なんなん?嫌味か?」

「ちょ、ちゃうし!…そっか、おらんのか。そっか。」

「なんやねん。おらんくて悪かったな。うちも好きで一人身ちゃうわ。」

「や、そういう意味じゃなくて…その…」

「…?」

「もし、文化祭の日空いてるんやったらな…一緒にまわr…」

「おい!夢女!」

「!?」

「あれ?三成。どうしたん?」

「貴様の帰りが遅いので迎えに来た。」

「へー珍しい。」

「秀吉様と半兵衛様が心配しておられる。御二方がご多忙のため、代わりに私が来た。早急に戻るぞ。」

「痛っ!手痛っ!力強すぎやから!ちょっと待って!」

「何だ。」

「何だちゃうわ!ここまで送ってくれた人に挨拶もお礼もまだやねんから!」

「送ってくれた…?」

「そう!練習で遅くなったから一緒に帰ってくれたんよ。同じクラスの遠d…」

「興味ない。」

「ちょ!失礼すぎるやろ!ごめんな!自己中で失礼な奴やから。」

「いや、大丈夫…夢野…その人は…彼氏…?」

「ちょっ、違うから!マジで!止めてよ!」

「あ、ご、ごめん。」

「夢女、秀吉様と半兵衛様が待っておられる。急げ。」

「もー。ありがとう遠藤君、迎えに来てくれたから三成と帰るわ。あ、さっき何か言いかけてたやんな?」

「え、いや!なんでもない!気にせんといて!」

「そう?じゃあ、送ってくれてありがとう。また明日な、ばいばい。」

「あぁ、明日…。」

「………。」

「(あの人めっちゃ睨んでる…)」


「三成、お腹すいたー。」

「貴様が奴と無駄話をするからだろう。」

「いやいや、無駄話じゃないから!」

「…………。」

「…どうしたん?」

「…何でもない。」

「ふーん………三成、ありがとうな。迎えに来てくれて。」

「………かまわん。」





「ただいまー。ごめんな、遅くなってもうた。」

「夢女君、おかえり。三成君と無事会えたようだね。」

「うん。まさか三成が迎えに来てくれるとは思ってへんかったわ。」

「そうかい?三成君が随分心配していたんだよ。」

「は、半兵衛様!私はその様なこと…!」

「それでお礼も言わせんくらいずんずん進んだわけか。」

「お礼?」

「途中までクラスの子に送ってもらってたんよ。そうそう、皆文化祭来るやんな?」

「もちろんだよ。ねぇ、秀吉。」

「うむ。その日は店も休みにするつもりだ。」

「やんなー。いやー、さっき遠藤君に誰かと文化祭一緒にまわる約束してるかって聞かれるまで、すっかり忘れてたわ。」

「…そんなことを聞かれたのかい?」

「そうやで。してないって言ったら彼氏は?やって!嫌味かよなーマジで。」

「!…夢女よ…もしや彼氏がいるのか?」

「いややわぁ、秀吉。おったら一緒に文化祭まわるし!」

「そうか…」

「そうやで。ほんま寂しいわぁ。文化祭の勢いで彼氏できひんかなー。」



「…賢人よ。」

「わかっているよ、大谷君。文化祭当日はしっかり周りを牽制しておかないとね。」

「ヒヒッ、流石軍師殿。遠藤とやらもしっかり威嚇しておかねばなぁ。」

「大谷君こそ、よくわかっているじゃないか。」



「なんかあの二人の雰囲気怖すぎっしょ。ほんと遠藤って奴、御愁傷様。」

「あーお腹すいたー!左近、何か残り物あるかなー?」

「…当の本人は気付いてないし。これだと当分恋人は出来ないだろうな………。」




 





豊臣家トップ
小説トップ
トップページ