カルテ NO.23387


むかしむかし、あるところにとても強くてやさしい女王さまがいました。
女王さまはまだ子供だというのに、だれにも負けたことがありません。男のひとも、女のひとも、女王さまとの勝負に勝ったことはありませんでした。
ある日、女王さまはとてもとても強いドラゴンに勝負をいどまれました。さすがの女王さまもドラゴンと戦ったことはありません。勝負は三日三晩つづき、女王さまはやっとの思いで勝利します。
自分よりも強い女王さまに憧れたドラゴンは、それから女王さまのつばさになることに決めました。
女王さまはとても強いけれど、ドラゴンのように空を自由に飛べません。だから、もしもお空を飛びたくなったときには、自分のつばさで運んであげると約束をしたのです。


そんな強い女王さまにも、悩みがひとつありました。
お城のそとにいるひとたちが、いつも自分を見ていることです。女王さまがなにを食べるか、どこに行くのか、なにをするのか、なにがすきでなにがきらいか、朝おきてから夜ねむるまで、いつもいつも見られていました。

「もうだれにも見られたくないのです」

女王さまはドラゴンに話しました。
そとにいるひとの目がこわいのです。悪いこともしていないのに、罰をうけているような気がするのです。牢屋のなかにいるようで、心が休まるときはありません。もう、見られたくないのです。
ぽろぽろと涙をながしながら話す女王さまに、だれにも見られないばしょに連れていってあげる、とドラゴンは話しました。けれど、女王さまは首をふります。

「わたしが女王であるかぎり、いつも心は牢屋のなかにしばられています。たとえ、だれにも見られないばしょにいっても、わたしの心が解放されることはないのです」

ドラゴンは女王さまよりも長生きなので、たくさんのことを知っています。けれど、目のまえで泣きつづける女王さまの心をどうすれば解放できるのか、それはわかりませんでした。
ドラゴンは考えました。たくさんたくさん考えて、それでもわからなかったので、だいじにだいじに守っていた宝箱を開けてみることにします。
この宝箱は、ドラゴンのおとうさんのおとうさん、そのおとうさんよりもずっと昔のおとうさん達が守ってきたものです。そのなかには、たくさんの知恵が詰まっていると聞いたことがあったので、女王さまの心を解放するための方法もわかるかもしれません。
宝箱のふたをあけると、なかからたくさんの