さてどちらが好みか(1/2)
おおもり山での写生と、ネクラマテングとの戦いを終えた後、景太はさざなみ公園を歩いていた。これから姉の七海と待ち合わせをして映画を見に行く予定なのだ。七海と遊ぶのは久しぶりなので、自然と足も軽くなる…はずだったのだが。チラリと横を見る。そばを浮遊していた青い妖怪に、思わずため息をついた。
「はあ…何か変なやつと友達になってしまいましたねえ…」
「渡る世間は闇ばかり…」
本を読みながら、ネクラマテングはぶつぶつと何かを言っている。内容はよく聞き取れず、景太は仕方なくウィスパーへと視線を戻した。
「っていうか、ウィスパーの幼馴染みじゃなかったの?このネクラマテングさん」
「ギクッ!ああ、いえ…」
「そんなやつは知らぬ」
バッサリ切り返したネクラマテングに、ウィスパーが「そ、そりゃあそうですよ!私がお友だちなのは普通の天狗さんなんですから!」と誤魔化す。
明らかに怪しい。しかもギクッて声に出していってたし。
深く追求すべきか悩んでいると、景太は道の向こう側に知った顔を見つけた。彼女も気付いたようで、手を振っている。 どんなに遠く離れていても、見違えるはずがない。
「姉ちゃん!」
ぱあっとたくさんの花が咲く背景を携え、景太は走りだした。
→