ブリー隊長とお姉ちゃん(2/2)
「ビクトリアーン!!」
「え…何これ…」
「彼はブリー隊長。今妖怪たちの間で人気のエクササイズを考案した妖怪でうぃす」
「結構激しくて、いい汗かけるニャンよ〜」
「これなら絶対痩せるよ、姉ちゃん!」
ウィスパーとジバニャン、そして景太が笑顔を向けてくる。その傍らにいる妖怪ーーブリー隊長という名前らしいーーを見て、私はがくり、と肩を落とした。
「さあ、行くぞ七海!俺と一緒にエクササイズだ!」
やっぱり楽して痩せることはできないのね…。
しくしくと心の涙を流しながら、ブリー隊長の指示に従う。そんな私を景太はにこにこと見つめていた。
「股上げだ!唐揚げじゃないぞ、股上げだ!膝を引き付けてータッチアップ!タッチアップ!」
「ひいぃぃ〜つ、辛い…!」
「何だ何だ?こんなもんかあー?これくらいで根をあげてたらヘタレって呼んでやるぜー!」
「もういい…もうヘタレでもなんでもいい…!」
ブリー隊長は厳しかった。それはもう、私の足がぷるぷると悲鳴をあげているくらいに。
はあはあと息が切れる。目の前のブリー隊長は涼しい顔。それしか上がらないのかと叱咤までされた。
「次は腹筋だー!シーソーのように、ギッタン!バッタン!」
「た、隊長…もう、無理ですぅぅ」
もうやめてやる!
そう一瞬頭を過ったのだが。
「いいかー!人生はシーソーゲームだ!これくらいで負けてたら人生だって勝てるわけがない!」
「た、隊長…」
「根性見せてみろ!お前の力はそんなものじゃないだろう!」
「は、はい!」
なんとも絶妙なタイミングで渇が入るのだ。それがなぜか、もう少し頑張ろうと言う気にさせる。
そして気づけば、私は一通りブリーズビートキャンプの項目を終えていたのだった。
「よくやった、七海!このビートキャンプは俺たちの絆だ!」
「はい!隊長…いや、師匠!!」
「明日もビシバシしごくからな!しっかり体を作っておけよ!」
「了解しました!」
ビシィッと敬礼をひとつ。ブリー隊長は満足げに頷くと、どろんと音を立てて去っていった。
「姉ちゃん!すごい!お疲れさま!」
「さすが七海ちゃんニャン」
「最後までやりとおしましたね〜結構な汗かいたんじゃないですか?」
額から垂れる汗を拭う。景太たちはにこにこと拍手を送ってくれた。うん、かなりいい運動になったかも!
「景太、これなら私痩せられそうだよ!」
「良かった〜!じゃ、痩せたら遊びに連れてってね?俺、遊園地がいいなあ」
「任せて!頑張るぞー!」
最終的に、私は太った3キロ−1キロで、合計4キロ落とすことに成功した。これも全てブリー隊長…いや、師匠のお陰である。すっかり師匠と仲良くなった私は、今もよくブリー隊長のビートキャンプで運動している。
そして景太との約束も、もちろん忘れることはなく。
「姉ちゃんー!次、あれ!ジェットコースター!」
「はいはい…って、景太身長足りるの?」
「大丈夫ー!」
ぱたぱたかけていく弟の後ろ姿とを追う。
さらに後ろからはジバニャンとウィスパーもついてくる。
なんかうまく景太に踊らされたような気がしなくもないけど、楽しいし痩せられたしいいかなと思ったのでした。まる。あれ、作文?