あなたのことはもっと好き

研二さんと松田さんと千速さんと私の四人で宅飲みをすることになり雰囲気に流されるまま「ちょっとなら…」とお酒を飲んでしまったが運の尽き。

「香澄ちゃんは本当に可愛いな」と頬を撫でられて「えへへ、千速さんもきれいでどきどきしちゃいます」とへにゃりと笑う。ぎゅうっと千速さんに抱き着けば、同じようにぎゅうっと抱き締め返してくれて嬉しくなる。

「千速さんだいすき」と頬を緩めた私に「私も香澄ちゃんが大好きだよ」と笑った千速さんが頬にちゅっとキスをする。「ふふっ、千速さんにちゅーされちゃったぁ」と笑えば「香澄ちゃんは私にちゅーしてくれないのか?」と千速さんが首を傾げるから、ぱちぱちと数度瞬きをしてから「いいですよぉ」と千速さんの頬にちゅっとキスをする。

そのまま頬擦りをするように千速さんに抱き締められてきゃあきゃあと二人で笑っていれば「……ちょっっと待って」と研二さんが私たちに手のひらを向ける。もう片方の手は額を押さえていて、松田さんは「俺しーらね。タバコ吸ってくるわ」といなくなってしまった。

きょとんと首を傾げていれば私の隣にずりずりと移動してきた研二さんが「俺にちゅーは」と頬を向けてくる。「……やだ」と呟いて千速さんにきゅっと抱きつけば「〜〜ッ何で姉ちゃんだけ!」と研二さんが悔しそうに顔を歪める。

「何だ研二、ヤキモチか?」と得意気な顔で笑った千速さんに「ああ、そうだよ!何が悪いか!」と怒った研二さんが私の腕を引っ張る。ふらりと傾いた体は簡単に研二さんの腕に捕まってぎゅうっと抱き締められる。

「姉ちゃんにとっては妹みたいに可愛いかもしんねぇけど、俺のだし」と不貞腐れたように唇を尖らせて私に頬擦りをする研二さんの頬はぽかぽかと温かくて「研二さん、よってるの?」と両手で頬を包んでくすくすと笑ってしまう。

「俺より香澄ちゃんのが酔ってるよ」と困ったような顔をする研二さんに「ええ、ぜんぜんよってないよぉ」と返せば「ん゛んッ…」と研二さんが眉間に皺を寄せる。いつも余裕たっぷりの研二さんが焦ったように私を抱き締める姿が愛おしくて胸がぎゅっと苦しくなる。

「千速さんもだいすきだけどね、研二さんのことはもっといっぱいだいすきよ」とふわふわする頭で、研二さんの唇にちゅっとキスをする。目を見開いてピシリと固まった研二さんに「ふふふっ、すき」と呟いて、胸元にぽすりと体を預ける。

どうしよう、頭がふわふわする。きもちいい。「香澄ちゃん?えっ香澄ちゃん待って、特大の爆弾落としていかないで。ねぇ待って起きて!?」と頭上で慌てたような声を出す研二さんに返事をしたいのに声が出ない。小さく唸って、そのまま目を閉じれば意識はすとんと落ちた。

「研二、顔真っ赤だぞ」「うるさい」「良かったじゃねえか。可愛い彼女からちゅーされて」「うるさい!」「頬にキスくらいでヤキモチなんて心が狭いな」「しかも相手千速だぞ?余裕無さすぎにも程があんだろ」「何なんだよ二人して!静かにしろよ!香澄ちゃんが起きるだろ!」「お前が一番うるせぇじゃん」
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