カッコつけさせて

【ほんとだったんだ】の続きみたいな

先日の事件の件で警視庁にやって来ていた香澄ちゃんに「お、香澄ちゃんお手柄だったんだって?」って萩原が声をかける。「いやいや…私なんて何にもしてないですよ…」って苦笑いをする香澄ちゃんに「でも香澄ちゃんの証言があったからって松田も班長も言ってたよ」って萩原がくすくす笑う。

「ぱぱ〜っとやっておいてくれればいいのに、お役所ってのは面倒だよね〜」って笑いながら香澄ちゃんにお疲れ様、と笑いかけた萩原が香澄ちゃんの手を引く。

「捜査に協力してくれた香澄ちゃんにはお兄さんがジュースを買ってあげよう」って悪戯っ子のように笑った萩原に自販機まで連れてこられて「好きなの選んでいいよ」って言われるから「そんな…!悪いですよ…!」って慌てて断るけど「りんごジュース好き?それとも紅茶にする?」って全然聞いてくれない。

どうしようって思ってたら後ろから伸びてきた手がコーヒーのボタンを押すから萩原も香澄ちゃんもびっくりして振り返る。「捜査協力してくれた善良な市民を困らせてる警察官がいるって通報してやろうか」って悪い顔で笑う松田を見て香澄ちゃんが目を丸くしてれば「陣平ちゃんの為にお金入れた訳じゃないんだけど」って萩原が不満そうに唇を尖らせる。

「喉乾いてたから助かったわ」ってけらけら笑った松田に「へーへーそりゃようございましたぁ」って萩原がため息を吐いてから香澄ちゃんに向き直る。「無理やり連れてきちゃってごめんね」って困ったように笑うから「えっあっ、いえ、そんな…!」ってあわあわしてたら後ろから松田が香澄ちゃんの頭をぽん、と撫でる。

「好きなの買ってもらえよ。コイツ、香澄の前でカッコつけたいだけだから」って小声で話して意地悪そうな顔で松田が笑うから「適当なこと言わないでもらえますぅ〜?ていうか別にカッコつけなくてもカッコいいよねぇ?」って萩原が香澄ちゃんを見る。

「は、はい!」って元気に返事をした香澄ちゃんを見て今度は萩原と松田が二人して笑い出す。「あはは!香澄ちゃん真面目だなぁ」「コイツの冗談に付き合ってたら日暮れるっつーの」って二人が楽しそうに笑ってるのを見て香澄ちゃんも思わず笑っちゃう。

「ふふっ、」って口元を押さえて楽しそうに笑ってる香澄ちゃんの姿を見たのは初めてで、萩原と松田が顔を見合せてぽかんとする。それから優しい顔で笑って「なぁに笑ってるのさ」って萩原が香澄ちゃんの顔を覗き込んで「ハギの間抜け面が面白かったんだよなぁ?」って松田がふは、って鼻で笑う。

「香澄ちゃんがそんな酷いこと言う訳ないじゃん。ね〜?」って笑う萩原に「お二人が、仲良しだなと思って…ふふ、」って何かがツボに入っちゃったみたいでくすくす楽しそうに笑ってる香澄ちゃんがいるから、萩原と松田の表情も優しくなる。

「ね、香澄ちゃん。もう一回俺にカッコつけさせてくんない?」って笑った萩原が肩を竦めながら自販機を指差して「だってよ。カッコつけさせてやれば?」って松田がまた意地悪な顔で笑うから「あははっ!じゃあ、お願いします」って香澄ちゃんが楽しそうに笑って頷いてくれる。

「何がいい?」「うーん…あ、ココアがいいです」「ふは、ガキかよ」「陣平ちゃんだってココア好きなくせに」「あ!?」「ごめんね、この男カッコつけたがりだからさぁ。許してあげて?」「おいコラ、ハギ」「ふふっ、」「お前も笑ってんじゃねぇよ」「こーら女の子イジメないの」「イジメてねーだろ」
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