手加減して欲しいんだ?

【無理、夜まで待てねぇ】の続きみたいな

ナンパされて困ってた香澄ちゃんを助けた時に「お前、何なんだよ」ってナンパ男に言われて「俺?この人の番犬」ってニヤッと笑ってサングラスをくいっと指で持ち上げる松田がいるから、予想してなかった返事にナンパ男もぽかんと口開けて「は…?」って固まる。

「飼い主様が大好きだからよ、近付いてくる男は容赦なく噛んじまうんだよなぁ」って笑って言う松田に危機感を感じて男はすぐに逃げていく。香澄ちゃんは勿論「番犬って…」って苦笑いしてるけど「アンタにしか懐かねぇ番犬な」って笑った松田がすり、って頬擦りしてくる。

「知らねェ男と喋ってんなよ」ってマーキングするみたいに抱き締めてくるから「喋るって、断ってただけじゃん」って苦笑いをしながら抱き締め返す香澄ちゃんがいるよ。外だからって理由で頬擦りくらいで我慢してた松田だけど、家に帰ってきたら知らん男に絡まれてたことを思い出してガルガルするのが止まらない。

「何であん時無視しなかったんだよ」ってぶすっとして後ろからぎゅううって抱き締めてくる松田に「だって道教えてくれって言われちゃって返事しちゃったんだもん」って言えば、無言で肩口に頭をグリグリ押し付けてくる。

香澄ちゃんのそういう優しい所が大好きだから、香澄ちゃんの良い所、大好きな所を否定するような事は言いたくなくて知らない男にまで優しくすんなよ、なんて松田は言えない。

「……ナンパだって分かった時点で無視しろ」って何とか文句を捻り出す松田に「ナンパだなって思った時には、もう陣平くんが助けに来てくれてたもの」ってクスクス笑いながら香澄ちゃんが松田のふわふわの髪の毛を撫でる。

そんな香澄ちゃんの手に頭を押し付けるようにしながら「……ならいいけど」って呟くけど、でもやっぱりモヤモヤするのは止まんない。「なあ、ちゅー」って言ってくる松田の方を振り返るようにして見たら顎をぐっと固定されて後ろからちゅうって唇が重なる。

ぺろ、って唇を撫でられてびくっと肩を揺らせば「くち、あけて」って松田が言う。恐る恐る口を開ければ、ぬるっと舌が入ってきて分厚い舌が口の中を好き勝手に動き出す。飲み込みきれなかった唾液が口の端から零れて、顎を押さえてる松田の手を濡らしていく。

ようやく唇が離れて、はぁはぁって肩で息をしている香澄ちゃんの口の中に唾液で濡れた指を突っ込んでくるから「んぅ゛…っ、じん、ぺ…っくん、」って一生懸命応える香澄ちゃんがいる。

そんな香澄ちゃんを見て耐えられるはずも無かった松田が「……やっぱ無理」って香澄ちゃんを抱えて立ち上がるから「きゃあ…っ、!ちょ、ちょっと、陣平くん!?」って逃げようとして暴れれば「手加減しなくていいなら暴れろよ」ってギラついた目で言われて「へ、ぇ…っ、」って固まっちゃう。

松田の本気が如何に恐ろしいかを良く知ってる香澄ちゃんが暴れるのを止めて固まってる姿が可愛くて「ふは、手加減して欲しいんだ?」って眦を下げた松田がゆるく微笑むから何て答えるのが正解なのか分からなくて香澄ちゃんは何も言えなくなるね。
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