ちゃんと教えろ

最初は頬に手を添えて鼻先をすり、って擦り付けてくるからビクッと肩を震わせて目を瞑るんだけど全然キスが降ってこなくて、恐る恐る目を開けるとふっと目を細めた松田に甘く微笑まれる。

「なに、」って言おうとするとちゅって一瞬触れるだけのキスをされて、またビクッと肩が震える。そんな香澄ちゃんを見て、楽しそうにくつくつ喉を鳴らして笑った松田が「ふっ…くくっ…ビビりすぎだろ」って言いながらちゅ、ってまた触れるだけのキスをする。

額をこつん、と重ねた松田が眦をとろりと下げてふんわり微笑んで、今度はちゅうって唇を吸うようなキスをされて、離れ際に下唇を食まれるからぎゅっと目を瞑る。香澄ちゃんの唇をはぷ、って食べるみたいにして、唇で挟んでくるからだんだん呼吸が苦しくなってきて、少しだけ口を開ける。

そうすると待ってましたと言わんばかりに唇がぐっと押し付けられて、隙間をこじ開けるようにして厚い舌が入ってくる。歯列をなぞって、上顎をとんとんと叩かれて息が苦しくなる。

奥に引っ込んだ香澄ちゃんの舌を引っ張り出すように吸われて思わず「ふ、ぁ…っ、」って声を漏らすと「ふっ…」って笑う声が聞こえてきて、薄目を開けて様子を伺えばバチッと松田と目が合って、その瞬間頬に触れてた手が後頭部に回されて、奥まで舌が入ってくる。

松田の服に縋り付くようにしてキスを受けて、ようやく唇が離れた時には息も絶え絶え。口の端から零れた唾液を舌で舐めとって「ふは、そんなに気持ちよかったかよ」って松田が笑うから「…ばか、」って小さい声で返す。

「嫌だった?」ってこてん、と首を傾げながら言われて「…うるさい」ってそっぽを向くけど「こっち向けって」って両手で頬をがっしり掴まれて視線が交わる。「ちゃんと教えろ、嫌なら嫌って言え」って言われて「…ゃ、じゃ…ない、」って返せば、ちゅって触れるだけのキスをして「これは?」って聞いてくる。

1個ずつ確かめるようにキスをしては「これは?」って松田が聞いてくるから「〜〜ッも、もう、ぜんぶすき、ぜんぶすきだから…っ、きかないで、」って香澄ちゃんが羞恥に耐えられずにぽろぽろ泣きながら全部好きって呟く。

その答えが聞きたかった松田はニヤリと笑って「ふは、欲張り」って香澄ちゃんの頬を撫でて、またゆっくりと唇を重ねるから呼吸も思考も何もかも奪われる。
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