塵一つ見逃すなよ

※いろいろ注意※

悪い人に攫われてずっと閉じ込められてた香澄ちゃん、ようやく発見された時には両手両足を縛られて目隠しされた状態で冷たいコンクリートの部屋に転がされてて助けに来た降谷たち全員がひゅっと息を飲む。

慌てて駆け寄ろうとするとかたかた震えながら「ごめんなさい、ごめんなさい…っ、ごめんなさい…ッ、ごめんなさい」って泣きながらずっと謝ってるけれど、無抵抗に転がったまま逃げようとする素振りを一切見せない。

拘束を解こうとして降谷が抱き起こすと「ひっ…ぅ、ごめ、ごめんなさい…っゆるして、ごめんなさい…っ、」って震えて謝り続けてるから、ぞくりと鳥肌が立ってしまう。

「大丈夫だ、香澄。何もしない、お前を助けに来たんだ。大丈夫だから、落ち着け」って声をかけ続ける降谷の代わりに諸伏が目隠しを外せば、泣きすぎて真っ赤になった目がうろうろ彷徨ってから降谷たちを視界に映して「ひ、…っぅあっ…あぁ…ッ、ごめんなさい、ごめんなさいッごめ、っなさい…っ、!」って益々震えて泣きじゃくる。

「チッ、パニックになってやがる…!」って堪らず松田が舌打ちをして萩原が降谷の隣にしゃがみ込んで「大丈夫だよ、香澄ちゃん。何にもしないよ。手痛いね、今からこれ外すからね」って香澄ちゃんの手首にそっと触れる。

ビクッと肩を揺らして謝り続ける香澄ちゃんは、拘束を解いても抵抗する素振りを見せずにひたすら謝って泣きじゃくってる。うろうろと視線を彷徨わせる瞳は降谷たちを映しているようで映していなくて、恐怖の色に染まっている。

「香澄、こっちも外すからな。少し足触るぞ」って伊達が香澄ちゃんの足首の拘束を解いて自由に動ける状態になっても無抵抗のまま降谷の腕の中で香澄ちゃんが震え続けてる。

「香澄ちゃん、分かる?もう大丈夫だよ、落ち着いて。ゆっくり息しよう、ね?」って諸伏が香澄ちゃんの手をぎゅっと握るけれど、呼吸が荒くなって状況は悪くなるばかり。

皆がどうしようって躊躇する中で「クソッ…!!おいゼロ退け!!」って松田が降谷の腕の中の香澄ちゃんの肩を掴んで「香澄!!!」って怒鳴れば、香澄ちゃんがビクッと体を跳ねさせて目をぱちぱち瞬かせて松田を見る。

「ぁ…っは、…ッ、ぅぁ、…っ?」って定まっていなかった焦点が、ゆらゆら揺れて松田を見てぴたりと落ち着くから「ゆっくり息しろ。大丈夫だ」って松田が強い口調で言えば香澄ちゃんがぽろぽろ涙を流しながら「じ…っじん、ぺ…くん、っ」って震える声で名前を呼ぶ。

「ん、大丈夫だ。落ち着け。もう大丈夫だから」って松田が香澄ちゃんの頭をぐしゃりと撫でてあげれば、香澄ちゃんが必死に呼吸を落ち着かせようとするから萩原が「香澄ちゃん、俺と一緒に深呼吸しよう。大丈夫、焦らなくていいよ。吸って、吐いて…上手だね、いい子」って慌てて香澄ちゃんの手を握る。

「は…っ、はっ…ふ、ぅ…っ、けほっ、けほっ」って咳き込みながらも呼吸が落ち着いてきて、香澄ちゃんがようやく視界に皆を映す。

たちまち顔がくしゃりと歪んで「ひっ…く、うっ…ぅあ、っこわ…っこわかっ、たぁ…っ、」ってぼたぼた大粒の涙を流して泣きじゃくるから「あぁ…ほら、また息苦しくなっちゃうよ。大丈夫、大丈夫だよ」って諸伏が優しく笑って香澄ちゃんの頭を撫でてあげて、降谷が香澄ちゃんの頬を伝う涙を拭いながら「来るのが遅くなってごめんな。もう大丈夫だから」って笑うから香澄ちゃんの目からはどんどん涙が溢れてくる。

恐怖と安堵と、疲労で一気に眠気が押し寄せてきて瞼が重くなっていく香澄ちゃんの頭を大きな手で撫でて「もう大丈夫だ、ゆっくり休んでいい。あとは俺たちが全部やるから」って伊達が優しく言うから、香澄ちゃんはすとん…とあっという間に眠りに落ちる。

香澄ちゃんを背負って立ち上がった伊達が「俺は先に香澄を連れて病院に行く。あとは頼んだぜ、お前ら」って笑えば「任されて〜!何もかもバッチリ調べ尽くしちゃうよん」って萩原がにこりと笑う。

「二度と舐めたマネ出来ねぇようにしてやらねぇとなぁ」って松田もニヤリと悪い顔で笑ってて、そんな二人を見た諸伏も「二人共、悪い顔してるな」ってくすくす笑う。

「ったく…全員人のこと言えないだろ」って呆れたような顔で肩を竦めた降谷がスッと視線を鋭くして「だが…全員考えてる事は同じだろうからな。塵一つ見逃すなよ」って全員に指示を出すから「おう!」って返事をした萩原たちが建物内の捜査を始める。

犯人は、一番敵に回しちゃいけない奴らを敵に回しちゃったね。
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