「行ってきます」って言って必ずキスしてから出勤していく降谷に「何で毎回ちゅーするの?」って聞いたら「したいから?」って首傾げながら返されて「嫌か?」って聞かれるから「ううん。嬉しい」って返したんだけど、本当は「いつ帰って来れなくなるか分からないから」だった事を知る。
「〜〜ッ零くんのばか!!私と一緒に生きたいって思ってくれたんじゃなかったの!!なんで、なんでいつ死んでも良いように準備するの!!ばか!!」ってクッションを投げ付けてぼろぼろ大粒の涙を流して泣きじゃくる香澄ちゃんに「待ってくれ、話を聞いてくれ…!」って言うんだけど全然ダメ。
泣きすぎてひゅうひゅうって変な呼吸になってる香澄ちゃんを抱き締めて降谷が無理やりキスをする。何度も何度も口付けて、舌を突っ込んで、呼吸を奪って、深く深く口付ける。
ようやく呼吸が落ち着いてぐったりする香澄ちゃんを抱き締めて「…悪い。最初は、本当にただ浮かれてただけだったんだ」ってぽつぽつと降谷が話し始める。一緒に暮らすことになって新婚みたいだって浮かれて、行ってきますとただいまのキスなんてしてみたりして。
幸せだな、可愛いなって思って始めたことだったのに、常に危険と隣合わせの自分が死んでしまったら、もうキスできないんだと思ったら止められなくなった。「おまもりみたいなものだったんだ。君がいる、この家に、君の元に絶対帰ってくるためのおまもりだったんだ」ってぎゅうううって縋るように抱き締められて益々香澄ちゃんの目から涙が零れる。
「そんなのやだ…っ、死なないでねって気持ちで見送るなんて、やだよ…!」って香澄ちゃんの言葉に胸が痛い。「キスなんていつだってする!零くんがもういらないって言うくらいする!死ぬ準備なんてしないで、私と一緒に生きるための準備をしてよ…!」って両手で降谷の頬を包んでちゅ、ちゅ、って何度も祈るように香澄ちゃんがキスをするから、同じように降谷も両手で香澄ちゃんの頬を包んでキスをする。
「香澄、結婚しよう。名実ともに僕の帰る場所になってくれ」って額をこつんと合わせながら降谷が言うからぽかんと開いた口が塞がらない。「本当はもっとちゃんとプロポーズする予定だったんだけど、締まらないな」ってクスクス笑いながら「なぁ、香澄。僕と、結婚してくれるか?」ってもう一回言うからぽろぽろ泣きながら「する…!するっ、れぇくんのお嫁さんになる…!」って香澄ちゃんがしがみ付く。
「ぅぅ〜〜っ、れぇくんが死んだら、わたしも死ぬからね…!もうぜったい、あんなこといわないで!」ってわんわん泣く香澄ちゃんに「うん、もう言わない」って優しくキスを落とす降谷がいる。