tori


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アロハ、昨日からハイスペックな王子様が彼氏になったけど、学校に行きたくなくて必死になって、体温計に呪文を唱えてる最中だよ。でも全然、熱が上がらないから、今度この魔術書を作った作者にクレームしようと思う!ちゃんと効力ある本を出版して下さい、って絶対言ってやろう!早く熱をあげないと、今時大阪にもいないパンチパーマなオカン来ちゃうからっ!!

「あんたぁ、いつまで寝てんねん!ずる休みしたら、小遣いなしやからなっ」

今日もオカンにボコボコにされて、起きました。何故、ずる休みしようとしたのがわかった…解せぬ。俺の小遣いの為に、学校に行くしかないようだ。もうこの選択肢しか残ってないし、何より学校帰りのクレープがなくなるのは死活問題じゃあぁぁぁ!

…そんなこんなで、今日も家を出たら、もう学校だったよ。本当にゲーム怖っ

「やぁ、結愛、おはよう」

はい、とてつもない美形が来ました。テニス部で朝から汗をかいてるにも関わらず、キラキラ格好良くて爽やかな王子様来たよ。匂いも汗臭くなしい、むしろレモンの香りがするって男としてどうなの?お前は女子かっ!!と、まぁ、そこはおいておいて、新ダーリンおいでなすったよ。朝からイケメンとかって、目に毒だよね。朝からピザくらい、胃もたれするよ。俺は朝は味噌汁とご飯って決まってるんだよね!はぁ…マイダーリンがほとりんに浮気したから、俺の朝食がピザになったって事なんだね。うん、凄く悲しい!!

「うぃ」

とりあえず、結愛は返事をした。恋人レベル2に昇格。

「くすっ…、可愛い」

どこに可愛い所があった!?なぁ、今のどのにあった!?

イケメンが花を散らしたように笑った方が美しくて、結愛は今にも鼻血を噴きそうになった。
だが、そこは根性でどうにか死守。
鼻血はマイエンジェルこと、ほとりの為にとっておきたい。

「今日は朝から君に会えて、本当に嬉しいし、幸せだよ」

そう言って、結愛の頭をそっと撫でたかと思うと、そのまま英国紳士のように前髪に口付けた。

「ひぃいぃぃぃ!?」

結愛は奇声を発し、後ずさる。
それを照れていると勘違いした真琴は嬉しそうに微笑んだ。

「放課後、デートしようか」

はい、強制イベント発生しました。ほとりんがするはずだった、クレープ食べて、公園ベンチでセカンドキッスだよ!どうしよう、クレープは食べたいけど、キッスは無理だっ!何せ、俺はこれでもノーマルなんだ。女の子が好きだ、嫁に貰うなら女の子だよ!BL見るのは好きだけど、自分だと萌えないし、何より腐男子は影ながらハスハスするものだろうよっ!そして、実はマイダーリンが大好きなキャラだったんだ。

いても立ってもいられなくなった結愛は、マイダーリンこと千尋がいる5組まで足を運んだ。
だが、ほとりんことほとりと仲良くイチャコラしており、もう周りは完全に空気と化していた。

「おぅ…マイダーリンとマイエンジェルがラブラブだと?どうなってるんだ…」

その問いかけに、ご丁寧にも二人のクラスメイトが答えてくれた。

「あの二人、昨日から付き合ってるんだぜ。御子神くん可愛いし、美人だし、小林が羨ましいや」
「くそう、最悪な事態キタコレ」
「君は小林狙いだったのか?残念だったな」

本当にそうだよ、マイダーリンが浮気するなんてっ!ゲームの中で三年間共にして、社会人になってから結婚して、ほとりんと王子様の隣に引っ越して、仲良し隣人夫婦になる予定が…、グッパイ…。

「…結愛、それ本当?」

突然背後から、地を這うような低い声が響いたと思って振り向くと、真琴が開眼していた。
そして蒼く綺麗な瞳が、冷たい目をして微笑んでいる。

「あ、え…王子…」

結愛が慌てふためいていると、先程まて話していたクラスメイトAが、もう一人のクラスメイトBに引きずられていくのが見える。

「お前、バカっ…!本郷くんは右京の溺愛する恋人だろうがっ」
「マジかよ、知らなかったよ…」

火の粉を散らすだけ散らして、クラスメイトABはいなくなった。

「嘘だよね?小林なんかを好きなんて事、ないよね?」

微笑んでいる王子様だが、もうその目は殺意に満ちている。
結愛自身、何でそんなに怒っているのかも、そこまで好いてくれているのかもわからなかった。

「君を誰にも渡したくない。僕だけを見てて」

もうここまで来ると溺愛通り越して、ヤンデレなんじゃないかと思ってしまう。


フラグがたった。


2024.07.27

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