tori


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5日目にして、おいおいおいっ!!今日はパンチパーマよろしくなオカンがいないと思ったら、まさかの修羅場!嘘だろ、まだ始まって5日のどこに危険ポイントあったよ?全部クリアしたよな!?って、言われてみれば、昔友達から借りたゲームはすぐにバッドエンドになって、セーブを小まめにわけてたわな。昨日の俺、どこで選択肢間違えたっ!

「へぇ、知らなかったよ。結愛と関戸矢が知り合いだったなんて」

真琴が早くも開眼して、鋭く蘭を睨み付けていた。
だが、それに動じる様子もなく、涼しい顔をして両手を組んで、こちらも負けじと睨み付けている。
その様子を間近で見る結愛は、今にも気絶しそうなくらい真っ青だった。

「いつも君はだんまりを決めるよね。まさか、僕の結愛に手を出してたなんて、天下の副会長が呆れるよ」

真琴の怒りは蘭へと向いており、今の所結愛にはおとがめないらしい。
おとがめと言っても悪い事は何もしていない。
ただ、蘭に抱き締められている所を真琴に見られてしまい、そこでようやく互いの想い人が同一である事を知った。
その二人の驚きようは凄いもので、普段ポーカーフェイスで決まっている王子様と、クールで厳格ある低音エロボイスが、これでもかってくらい驚愕に表情を変えてたから、さすがの結愛も申し訳ない気分になったのだ。
別に自分が悪い訳ではないが、生徒会トップ2の二人がライバルとは過去に一度もなかったらしい。

「誰がいつ、お前のものになったんだ?」

蘭の反撃が始まり、戦いのゴングが鳴った。

「結愛は僕だけのお姫様だって、出会う前から決まってたんだけどね。まさか横から、奪われるとは思わなかったよ」

え、俺ってもしかして、王子様と運命的な赤い糸で繋がってたの!?しかも奪われるって、もしかしてヤンデレルート発動しちゃった!?ちょ、誰か説明プリーズっ!!

結愛が一人あわあわしてるうちに、二人が殴り合いを始めた。
音が凄いのなんのって。
今時、好きな相手一人にここまで熱くなれるのかよ、と心の中で思ったけど、そんな事を言っている場合じゃない。
今すぐ止めなければ、そう体を動かした瞬間に、背後から衝撃が起きる。
吹き飛ばされ、気づくと床にうずくまっていた。
何か起きたのかわからずにいると、真琴と蘭が同時に結愛の名前を呼んだ。

「っ…本郷くんが悪いんだからね…。男の癖に、あたしの真琴をたぶらかしたから…」

先程まで自分がいた方へ視線を向けると、見たこともない女子生徒が立っていた。
そして体を震わせながら、手にはナイフを持っていて、先端には血が着いている。
その瞬間、結愛は全てを悟った。

あぁ、俺ってば刺されたのか…。だから、目がかすむし、背中が凄く痛くて、体の感覚がどんどん無くなっていくのか。って、それヤバくねぇ!?
え、マジかよ、俺死ぬのかよっ!!まだ5日目なんだけど、早くない?カップラーメンを待つくらいの時間だよね!?オーマイガッ…!

「結愛っ、死ぬんじゃないっ…」

真琴の慌てようと、蘭がその女子生徒を捕らえ、床に拘束する。

「真琴はあたしだけのものなんだからぁぁぁぁ!」

女子生徒が叫び、真琴に抱き締められ、結愛の意識が途切れた。


……
………

コンティニューしますか?

そのクリックを押すと、ニューゲームと書かれた文字が広がった。

桜花 咲雨
大友 飛鳥
滝内 社
犬神 永久

おいおいおい、嘘だろ…!?もしかして、選択肢あったのかよ!しかも人を選べるとか、最初から何故出さなかったっ!!解せぬ!!!


フラグがたった。
end


2024.07.31


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