立派な大人です
あれから半月近くが経過し、ずっと警戒していたルークだったが、秋の世話好きや、うざい程に構いたがる性格に絆され、どんどん甘えるようになっていった。
未成年と言えばまだまだ子供であり、親を必要とする年齢だ。
バルドから聞いた話では、生まれた時から属性が決められており、黒魔術師の場合、捨てられる事があるそうで、きっと両親はいないだろうとの見解だった。
災難としか言いようがない。
黒魔術師に生まれたが為に、忌み嫌われ、肉親はおろか、守ってくれる大人すらいない劣悪な環境のせいで心を閉ざしてしまう。
14歳の子供だと聞いて、秋が悲鳴をあげたのは記憶に新しい。
その時にバルドにも伝えていなかったが、ルークにだけこっそりと年齢を伝えたら、酷く驚愕していた。
この世界の住人は人をやたらと子供扱いしてると思ってたが、14歳のルークよりも幼いと思われていた事に不快極まりない。
これはバルドに一言物申さないと居られないと決めたのだった。
「秋…秋、僕から離れないで下さい…」
ぼそぼそと小さな声で秋を見つけては後ろからぎゅっと抱きしめては、甘えるの繰り返し。
少しでも離れようとすれば、ムッとした顔をして更に激しく抱きしめられて、仕事にすらならなかったのである。
そんな2人にバルドがイライラするのも当然であり、力ずくで離されてはくっつくの繰り返しだった。
「ルーク、お前、いい加減にしろよ?秋は今仕事中だ、邪魔すんじゃねぇよ!!」
まだ開店前だから良いものの、客が入ってからもずっとこんなだから、今や名物とすらなっていたのだった。
秋が働き者なのは周知のもので、そこに子供のように付き纏うルークは最初こそは黒魔術師だから警戒されていたが、2人の関係性を見てればわかるように、本当に兄弟のように可愛らしいのだ。
もちろん秋がしっかりした弟で、ルークがブラコンな兄とみんなが思っているのだが。
秋の実年齢をしらないバルド含む、客達は真実を知ったらどうなるのだろうか。
「こんなに小さい秋が出来て、お前に出来ない筈ねぇだろうが!さっさと働け!」
バルドの怒りは経営者だからだけではなかった。
実は秋に最近絡めない事も苛つく要因であり、正直に言えば嫉妬なのである。
「僕はまだ子供ですから、秋のようには働けませんよ…」
何だか上から目線のルークに、バルドがハテナマークを浮かべ、首を傾げる。
「いや、それなら秋だってお前より子供だろうが…」
「?バルド、何を言ってるんですか?秋が僕より子供な訳ないじゃないですか。見た目はそうですけど」
その言葉にバルドが勢い良く、秋へ視線を向けた。
「え!?秋、…お前、今、何歳だ?」
バルドは今まで年齢確認しないで働かせていたが、言われてみればちゃんと聞いた事がない事に今更ながら焦り出す。
「は?急に何?俺、今年で35歳なんだけど」
その言葉にバルドが落雷にでもあったかのような衝撃をうける。
「っ…はぁあぁぁ!!?35!!?嘘だろ!!?」
バルドの反応に、カチンときたのは秋であった。
「え、ちょっと待って!バルド、俺の事散々子供扱いしてたけど、あれ…マジだったの!?」
秋がふるふると怒りに震えながら、バルドの洋服を思いっきり引っ張った。
それなのにびくともしない肉体が更に苛立たせる。
「いや、マジも何もお前、俺はてっきり…!!」
(13歳くらいだと思ってたから、今まで手を出さなかったんだそ!?35って何だよ!!今まで我慢してたのがアホみてぇじゃねぇか!!)
「てっきり、何だよ!!」
きっと下から睨みつける秋。
怒っているのに、それすら可愛らしいと思うのは重症だろうか。
未だにルークが抱きついており、それが更に気に食わない。
子供同士のじゃれ合いだと思ってそれなりに目を瞑っていたが、秋が大人だと知れば話は別だ。
「お前、俺の嫁になれ」
そう言ってルークを引き離すと、秋を片手で素早く持ち上げた。
「うわ…!?」
いきなりの浮遊感に驚いていれば、バルドの高さまで抱き上げられていたのだった。
「この糞ガキを拾った時に言ったよな?俺と結婚したいって」
「は?…え、いつの話…を…んっ?」
あんなの冗談だと口にしようとすれば、唇に柔らかな感触と共に始めから濃厚なディープキス。
「んっ…ふっ…!」
肉厚の舌が口腔内を埋め尽くし、ぬるぬると動き回る。
何度も秋の舌を探り当て、絡ませては激しく求められ、鼻につくような甲高い声が洩らしてしまった。
「んっ…っ…」
「っ…はっ…、秋、逃さねぇぜ?」
やっと開放されたかと思えば、ぎらりとした雄の顔をしたバルドに秋は息も絶え絶えに震えたのだった。
(え…?ちょっと待って…?今、俺…キスされた?)
思考回路が追いつかず、秋は朦朧とする意識の中でバルドを見上げた。
互いの視線が交わるとバルドの瞳に動揺の色が宿る。
それもそうだろう。
秋の表情は何とも言えない程に艶っぽく、蒸気して赤くなった頬に、互いの唾液により熟れたような濃い色をした唇。
荒くなった吐息と共に目に生理的な涙を浮かべているのだから。
そのどれもがバルドを興奮させるには充分であった。
50を越えた男が息子程の青年に煽られるのだから、堪ったものじゃない。
「秋、結婚しようぜ」
そう言われて、再び唇を貪られたのは言うまでもなかった。
ルークが必死に秋を取り返そうとするもバルドの力には敵わず、唇がふやけるまでキスは続くのだった。
ずっと秋が13歳くらいだと思っていたから手を出さなかったバルドのおやっさん。続くか続かないかわからないが、とりあえずここら辺で終わらそうかなと(笑)勇者御一行出て来てないのに、ちょっと書きたかったものと違うなと思い、断念。悪しからずです…。
end
2025.05.07
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