祝福
「みなさーん!みこさんが帰ってきましたよー!」
「…!みこ!!」
「ひゃあっ!?」

目の前には私の式神であるみんなが集まっていた。
小白くんが呼びかければ、一目散に黒無常が私を抱きしめる。

「ごめんね…心配かけて…」
「いや、お前のことをよく考えられてなかったと思う。だから今は、無事に帰ってきてくれただけで十分だ。」
「あのね、黒無常…」

飛び出した時の気持ちを、それから縁結神によって貰った祝福の言葉を伝える。
そして、出会えた感謝を。

「…あぁ…そうか……ごめんな………」
「ううん、もういいの。今は皆と祝福したいの。」
「そっか、うん、俺達もその用意をしてたんだ!よし、主役の登場だ!」

拍手で盛大に迎えられ、部屋の中に案内される。
そして、それぞれが用意した贈り物を一言と共に受け取る。
みんなが大切にしてくれる気持ちが伝わってきて、温かくなる。

「みんなありがとう!いつも守ってもらってるのに、贈り物まで貰って…」
「いつも頑張ってるのはみこの方よ。それを見守ってるだけ、傍にいられることが私達の幸せよ。」
「巫女の乙女よ、毎日陰陽術だけでなく神事の事も担っているではないか!いつか倒れてしまうのではないかと小生は心配しているのだぞ…」
「みこは誰のために体を張っているのだ?」
「それは…私を慕って守ってくれるのに追いつこうと思って…」
「そうか、だが我達は前向きにひたむきに頑張るみこに着いていくと決めたのだ。」
「あぁ、風神殿の言う通りだ。主である禰宜殿が努力家だからこそ、わしらも応援したくなるのだ。」
「ありがとう…皆の期待に応えられるようにもっと頑張るね…!」
「みこ、頑張るのも良いが…」
「…?」
「ずっと俺達と一緒にいてくれるって約束してほしい。」
「…うん、もちろん!ずっと私の式神でいてください!」
「なんだかまるで告白みたいねぇ。うふふ。」
「フンッ、こんな馴れ合い、やってられねぇよ。」
「よし、今週はみこを存分に甘やかすわよ!」
「えぇっ…!?」
「俺も有給貰ってくるからな!♡」

贈り物だけでも十分に嬉しかったのに、さらに甘やかされるなんて…
やっぱりみんなのことが大好きだなぁ…
言葉に甘えて、みんなに存分に甘えさせてもらおう!
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