*ヤンデレ注意*
*殺害描写あり*




最初はあの三人は、仲睦まじく誰もが羨む夫婦になると思っていた。
禰宜様もあの二人を大層慕っていたし、無常達も禰宜様を気に入っていた。
だからこそ、目の前にいる彼女の姿が信じられなかったのだ。
愛の形というものは、様々ある。
しかし、これは「あい」と読んでも決して「愛」ではなくなったもの…
それは狂気と呼んでもいいだろう…

「禰宜様…本当に良かったのか?」
「はい…私はとても幸せです…ふふ……ずっと一緒なんですから……」
「良ければ…覚えている限りでいい…この選択をした経緯を話してほしい。」
「いいですよ…覚えていない事は無常から聞いてください…」
「ありがとう、では場所を変えよう。こっちだ。」

瞳からも禰宜様自身からも全く生気を感じられない。
それでも彼女は本当に幸せそうな顔をした。
死神の花嫁と呼ぶには十分すぎる位には死の臭いをまとった彼女。
どうして人として手を取り合うのではなく、妖怪の身に堕ちたのだ?
今までの彼女に何か異変はあっただろうか?
彼女だけでなく、彼らに不審な点はなかっただろうか?
…この姿を彼女の式神達が見れば、悲しむに違いない。
特に妖刀姫……彼女が見たらどう思うか…
しかし、いつまでも隠すことはできない。
こうなってしまった以上、もう彼らは式神でなくなってしまったのだ。
その異変に気づかない確率の方が断然低い。
人通りも少ない本堂の一室に招き入れ、向かい合って座る。
どこを見ているのか分からない瞳を見つめる。

「何からお話しましょうか…?」
「そうだな…まず、禰宜様が妖怪になろうと思ったきっかけから聞かせてもらおうか。」
「はい…そうですね…いつだったでしょうか…」
「あまり無理はするなよ?まだ体は慣れてないはずだからな。」
「うん…ありがとう…」
「…………」

白無常の反応に少し引っかかった。
それは嘲笑とも思える笑みを浮かべたのだ。
私はてっきり「禰宜様が望んだ結果」を見ているのだと思っていた。
その笑みを見て、今一度冷静になって考えを改める。
今見ている彼女はどう見ても願いが叶い、幸せを掴んだ花嫁に見える。
それが嘘だとすれば?

「いや、待ってくれ……質問を変えたい…」
「すみません…うまく思い出せなくて…」
「いや、良いんだ…では、まず禰宜様はどうやって妖怪になったんだ?」

私は心の底から恐怖が湧いてくるのを感じた。
もし、今見ているのが「無常達が望んだ結果」だとしたら恐ろしい話だ。
1/6
prev  next