朝(白ver)
襖の向こうから朝の音が聞こえてくる…
雀の鳴く声が控えめに朝を告げる。
今日は遠出のない日だからもう少し寝ていたい…
冬の寒い朝。
囲炉裏の温もりも無くなってしまっただろう。
暖かい布団の中に頭まで潜る。
すると、誰かの腕が背中に回り、密着させられる。
誰だろう……黒無常か白無常しかいないけれど……
寝ぼけたまま腕を背中に回し、顔をすり寄せた。
もう一度目が覚めると襖の向こうは、騒がしくなっていた。
今日の拭き掃除当番の式神が廊下をバタバタと走る音。
誰かが泣き喚く声に怒鳴る声。
そろそろ起きないと…
ゆるゆると目を覚ますと、視界は白。
見上げると白無常は目を閉じていた。
布団の中から顔を出して、間近で白無常の顔を覗き込む。
綺麗な顔立ちにさらさらな白い髪。
長い睫毛をじっと観察していると、ふと紅い瞳と目が合った。
「…起きたんですね、おはようございます。よく眠っていたので、お邪魔しました。」
「…あったかい…」
「それは良かった、僕に少し構ってくれますか?」
背中に回された腕が更にお互いの距離を近づけた。
顔が近づき、スゥッ…と目を細める。
目を閉じると唇が重ねられる。
首に腕を回すと、深く口付けされる。
白無常の手は内腿を撫でる。
「ん……ふ……」
「………」
「っ………、……」
「まだです…」
再び口付けをされ、そのまま体勢を変えられる。
白無常が上に乗り、どうにも動けなくなる。
「……またやってるのか…」
「…、……またとは何ですか。」
「ふぁ……はぁ……大天狗…っ…?」
「そろそろ朝餉が冷める、食わせてやれ。」
「そうですか、もうその様な時間でしたか。」
「知っていた癖に…はぁ……まぁ良い。」
呆れてため息をつきながら、大天狗は戻っていく。
外は既に落ち着きを取り戻していた。
「今日の予定は?」
「特には…」
「そうですか!では、たまには外で遊びませんか?」
「…!そ…それって…」
「えぇ、黒無常には悪いですが、たまには二人きりで…」
「……うん……よ、用意するね!」
白無常からのデートのお誘い。
普段なら3人で行くけれど、今日は黒無常だけ仕事。
でも二人きりもとてもドキドキする。
羽織を羽織って、着替えを持って寝室を出る。
楽しみ。
何処に行くんだろう…?
たまの休日位は白無常にもゆっくり、その体を癒してほしい。
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