魔法少女ピンチ?!
ほぉ…魔法少女の力は侮れないな。
矢が飛んできた先を見て、打った相手を探す。
もう一発打たれた事で、近くの路地の隙間だと断定した。
よし、魔法少女を襲えば良いんだよな?
一体どんな奴なのだか……
………!
あれはミコじゃないか!!
チッ!ヴェリアンの奴、よりによってミコを選んだのか!!
…いや、だがこれは好都合でしかない。
襲う相手が愛しい女であるならば、俄然やる気は出るものだ。

一通り見えていた敵は殲滅できた…かな?
打った場所から離れたから、特定はされないと思うけど…

「見事な手さばきだぞ、ミコ。」
「…!!た、タイウィンさま!!どうして!!」
「俺もポリティア軍にいるからな。今回の作戦の主将でもある。」
「じゃ、じゃあボス…ってこと?」
「あぁ、そうだ。悪を滅する魔法少女…俺をも退治してしまうか?」
「ま、待って……どうして私がミコだって分かったの?それに詳しい…?」
「理由か?それはポリティアの国主ヴェリアンが、魔法少女を創ったからだ。」
「…??!!」
「さて、戦う気がないなら、遠慮なく俺は俺の任務を果たすぞ。」

目の前に現れたのは金色の髪を持ったタイウィン。
人形である彼から告げられた言葉で頭が真っ白になる。
今、こうして襲うよう仕向けているポリティア自体が、対抗存在を作った…?
訳が分からない…
一体何の意味があるというの…?
それに…タイウィンが例え私達にとって悪であろうとも、退治することなんてできない…
複雑な気持ちに弓を引く手が下がる。
タイウィンは戦意を失った私の背後に回り込む。
殺されるとしても、タイウィンになら何も怖くない…かな…
体を回収されて、人形として再び生を授かるのも…
ギュムッ!!

「ひゃぁぁっっ!?」
「俺の任務はお前を襲うことだ。」
「へ?え?」
「魔法少女Nよ…変身が解けないようにまだ部隊をほんの少し残している。」
「ふぇ……あっ…」
「最初はやる気なんてなかったが、相手がミコならたっぷりと可愛がってやるしかない。」
「そ、そんな…待って…」
「あいつらが時間を稼げる時間はどの位だろうか?あぁ、心配するな。奴らはただの機械だ、魔法も効く。」
「そうじゃ…なく、て…」
「そう言えばNは何の略だ?もしや【nameless】か?ククッ…お前にはいい名があるというのに…」
「待ってぇ…たいうぃん…おねがい…っ。」
6/14
prev  next