魔法少女の葛藤
「ふぅ…終わったか?予想以上に手こずっていたな。」
「はぁ…っ……は………」
「お…変身が解けた……後処理はしてやったから、じゃあまたな。」

結局タイウィンに夢中になってしまった。
私の決意って一体何だったの…!?
震える足を懸命に動かし、壁伝いに出れば苦戦から解放された仲間達の姿。
だめ……意識が……

「……あれ?補佐殿!?一体何が!!」
「団長!!隊長!!補佐さんが!!!」
「…!ミコがどうかしたか!?」
「こっち、こっちです!」
「──!!!しっかりしろ、ミコ!!」


「………………」
「………ん…気がついたか?」
「…………」
「心配したぞ…既に倒れている姿を見た時は、悪い未来しか見えなかった…」
「……ごめんね…」
「いや、良いんだ。目を覚まして良かった。」

違う…違うの……
皆が一生懸命戦ってる最中にあんな事…
タウに内緒事をするのも、あまりしたくない。
本当は魔法少女になって、強くなって皆を守れるようになったんだよ。
って言いたい。
だけど、自分の口から言ったら最後、お互いの記憶が抹消されてしまう。
愛の魔法少女って言うくせに、私自身はとても孤独。
…でもタイウィンが知ってくれてるだけ、まだマシ、なのかな…
ベッドから体を起こすと前回のような空腹感どころか、元気いっぱいになっている事に気がついた。
本当にエネルギーを分け与えてくれたんだ…


「文言通り、魔法少女を強化して参りました。」
「ヴェリアンは一体何を考えているのだろうね。」
「私が聞いたところによりますと、強化した魔法少女の力を吸収しているらしいです。そして、膨大なエネルギーを蓄え、推敲な計画の大目玉になるのだと。」
「へぇ、効率的なエネルギー集めってことか?人間ではない彼女だからこそ、できる計画みたいだな。」
(計画自体は面白いと思うが、その中の一人に含まれていると思うと胸糞悪い…)
「愛が深まれば深まる程強くなる魔法少女。ミコが選ばれるのは必然的だったでしょう。」
「僕も彼女の変身した姿を、一度位見てみたいところだ。君の感想を聞かせてくれ。」
「俺の、ですか?……手放しにするのは、勿体ない…さらに愛らしくなったと思います。」

そういえば、ミコと会えて、唯一の理解者という立場なのでは?
きっと銀色はあのことを知らないだろうからな。
俺が精神的拠り所になったのなら…
これ以上に美味い話はない…!!
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