レファンドスの危機
城内が朝から異常に騒がしい。
走り回る兵士さんの声をよく聞けば、魔法少女のことを言っていた。
でも、どうしてこんなに忙しそうなんだろう?
とりあえず王の間へ行くと、もうシュネル様が王座に座っていた。
慌てて隣に立つ。

「あ…ミコ、おはよう。」
「おはようございますっ、今日はお早いんですね…!」
「うーん…だって面白そうな話が気になってね…ほら、これ。」
「…魔法少女Nを捜索中。当人はシュネル王への謁見を…?」
「今朝、ポリティアから魔法少女を引き合いに出せとの手紙が届いたんだ。だから、神出鬼没な彼女を捜索することにした。」
「こ、こんなので会いに来るかなぁ…?」
「もちろん可能性は見出していない。ただ裏面も見てほしい。」
「ん?……ポリティアの要求、決闘宣言…現れなかった場合、全面戦争となる…えぇっ?!」
「本当にそうなってしまったら、間違いなく敗戦してしまうだろうね…絶対に避けなければいけない…だから、今大急ぎでこのポスターを配っているんだ。」
「そうだったんですね……」

でも、その魔法少女は目の前にいるから、問題ないですよ…
ともかく、全面戦争なんて絶対だめ!!
ヴェリアンが何を考えているかは知らないけど、私が戦うだけで良いのなら喜んで受け入れる!!
ポリティア勢力が国境付近に現れるのは、午前11時。
あと二時間半はある。
どうすれば良いだろう…
既にいつ変身するか、について悩み始めている。
こんな事態となると、軍団について行かないのも…

「この件はいかがなさいますか?」
「どうしよっか…実は戦争についてはあまり知識がないからね…」
「では、私とローマンとで決定してよろしいですか?」
「うん、それで良いよ。あ、ミコは城門前で待機してほしい。相手が女の子だと話もしやすいだろうし。」
「分かりました!訪問次第案内すればよろしいですね?」

これはとてもラッキーだ!!
兵達が出ていった後に変身すれば、十分間に合う。
午前の予定は全て崩れ、午後からの公務を調整する。
…ポリティアに引き込むつもりなのかな。
ヴェリアンは思念体らしいし…
昔も膨大なエネルギー調達をして、北部を廃地にしてしまったんだし…
今度こそ、このエウレカ大陸を壊そうとしているのかも。
でも、負けなかったらいい話だもんね!
絶対に勝って、ヴェリアンの思い通りにはさせない!
…なんて、決意も彼の前では無力になってしまう…
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