そんな気はしてました
段取りとしては、まず私とミコが出かけるフリをする。
そして、城の周りにファンらしき人が待ち伏せしているかの確認。
その後、タウが一人で外に出る。
囲まれたら私との事を公開する。
誰もいなければ、そのままデートへと向かう。
どちらかと言えば、問題は早い内に片付けたい。
休みの日を狙って、会いに来るようなファンならば助かるが…
いや…話の限り出待ちが多いらしいから…ずっと張っているのかもしれない。
腕を組んで軽く身を預けられながら、外へと歩き出る。
門を通過して少し行った場所から振り返ると、50人くらいが待っていた。
手には色紙やカード…明らかにサインを求めている。
かと思えば、派手な格好でこちらはデートの誘いに見える。
タイウィンが遅れて出てきた。
待ち伏せしている合図を送れば、面倒そうな反応を返した。
門から一歩出れば、すぐさま黄色い声が響き、押し合いになっている。
身動きが取れないタイウィンが、早速静まらせた。
「貴様ら、俺に嫌われたいのか?」
「い、いえ!!もしかしてこういう服はお好きじゃなかったかしら?」
「……ククククククッッッ…!!!!貴様らに良い事を教えてやろう。」
「……え……っと……」
「こいつは俺の幼馴染であり、恋人であり、嫁となる女だ。」
「…!!あなた、確か隊長補佐でしたわね?あなたが隊長様と幼馴染…?」
「何だ?何か文句でもあるか?」
「いえ…こんな地味な子がお好きでしたのね…」
「はぁ?こいつを馬鹿にしたか?舌を噛まぬように覚悟決めとけ。」
「ま、待って!殴るつもりなの…?」
「言っただろう、触る奴の腕を捻り潰したいと。酷く臭いにおいを振りまいて、偽りの顔で擦り寄る貴様らには、これでも手加減してるつもりだ。」
「な、何ですの!!カッコイイからって、何でも言っても良いとはなりませんわ!!」
「は?お前らが勝手に持ち上げているだけだろう?とにかく邪魔だ。死にたくなければとっとと消え失せろ。」
「キィ〜〜〜〜ッッッッ!!!!!!そんな田舎臭い娘の何が良いのよ!!?」
「早く消えろ。」
帯剣していたものを目に見えない早さで抜いて、首の皮スレスレに刃を当てていた。
周りの人は悲鳴をあげて逃げてしまったり、腰を抜かしていた。
目の前の女性は、刃の冷たい感触に顔を真っ青にして、震えている。
涙を浮かべながら、許しを乞い始めた。
これ以上危ないことをしてほしくなくて、手を重ねれば渋々と剣を戻した。
女性は座り込んでしまい、恐怖に宙を見つめたままだ。
そんな様子を一切無視して、デートへと連れ出された…
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