来年も
特別な音楽が流れるとメインの花火が打ち上がる。
しばらく三人寄り添って眺め、美しい景色に浸っていた。

「俺は、どうしてだろうか…無性にこの時が奇跡のように感じる。」
「…?急にどうしてそんな事を…?」
「何だろうな…俺だって色々考える事はあるさ。ただ…あの時朽ちるはずだった運命は変わり、こうして何事もなく共に過ごせている……この時間が本当なのか、夢なのか、疑ってしまうほどだ。」
「もう…夢なんかじゃないよ。確かにタイウィンは負けた、けれど、私の隣にちゃんといる、でしょ?」
「あぁ。貴方は確かにここに存在している…私を模した自動人形として。」
「ふん……俺の志は良くも悪くもお前に作用されてばかりだ…本来、俺はこのような人物ではない…本当の俺は…いや、何でもない。」

深く考え込むタイウィンの顔をじっと見つめる。
きっと何か難しい事を考えているのだろうけれど…今はお祭りを楽しんでほしい…
ぎゅっと手を握ると、タイウィンの視線が上がる。

「今日はデートを最後まで楽しも?ね?」
「……それもそうだな、すまない。」
「花火が終わったらどうする?」
「それはもちろん…ベッドで朝まで愛し合うんだ。」
「言っておくが、独り占めは許さない。それと、あまりミコに無理をさせないことだ。」
「はぁ…せっかくの幸せなデートタイムも貴様がいるおかげで台無しだ。」
「生憎だが、私もすこぶる虫の居所が悪くなる。何故だろうな、どう考えても貴方のせいかもしれない。」

急に私を挟んでの喧嘩が始まった…今に始まった事でもないけれど。
ラストの大花火が打ち上がると長い余韻に浸る。
今日は本当に幸せだった。
毎年、警備で終わる特別な祭りの日に、こうして大好きな人に挟まれて充実した一日を過ごしている。
雪がフワフワと舞う王国の珍しさに、雪がよく似合う二人の顔を眺める。

「ん…どうした?私の顔に何かあるか?」
「どうした?俺に見蕩れてたのか?」
「ふふ…うーん、二人に見蕩れてたかも…こうして独り占めできて嬉しくて…!」
「それは見蕩れても仕方のないことだな。もっと見つめても良いんだぞ?」
「ね…来年もこうして三人で新年のお祭り、迎えられるかな?」
「ああ、迎えられるさ。」
「迎えてやるよ、俺はずっとお前の傍にいると誓ったからな…」
「それならば、私も君に誓った…ずっと離れないと。」

金銀混合の指輪が応えるように煌めく。
一緒に過ごせる時間ってどうしてこんなにも幸せなんだろう…
来年もタウとタイウィン、三人一緒に年を越せますように…
6/6
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