計らい
少し小腹が空いたのか、甘い物好きなお前が寄ったのはフルーツタルト店。
小店舗を経営しているが、今日は宣伝で屋台を出しているらしい。
近づくと甘い匂いが誘惑する。
俺も…すっかりお前の味覚に寄ったみたいだな…
お前はどのフルーツにするか悩みに悩んで、クランベリーとブルーベリーのタルトを選んだ。
俺はアーモンドを、銀色はオレンジを。
幸せそうに頬張る姿を見ていると、愛おしくて無意識に額へキスをしていた。
少し恥ずかしそうに俯いてくれた反応が可愛い。
ミコもタルト…作ってくれねぇかなぁ…
少し暗くなりライトが点灯していく。
今日のレファンドスはわざと雪を降らしているおかげで、ライトが映える。
「ミコ…寒くないか?いつでも言えよ?」
「大丈夫…二人に挟まれてるとなんだか暖かいよ。」
「もう少しで花火の時間だな。どうする、もう少し場所を変えるか?」
「俺はここでも良いと思うが…ミコは?」
「ちょっと人が多いから…もう少し静かな場所が良いかも…」
「なら、私に任せてくれ。」
さすが、隊長の名も伊達じゃねぇな。
レファンドスの道なら全て覚えている様な銀色に従い、花火のベストポジションへと向かう。
少し祭りゾーンから離れると一気に静かになる。
当然、花火が上がる場所も銀色は把握しているのだろう。
王城前の庭園にあるベンチに座ると、巨大ツリーとライトがよく見える場所だった。
誰もいない場所で、背後の苗木が風を防ぐ。
「ふふ、今日はシュネルさまの計画も突然で驚いたけど、私達のデートも突然で驚いたね…」
「まぁ、俺は少し前に奴から招待状が来た時は少し疑ったがな。」
「はぁ…今日一日デートさせてもらった礼はちゃんとしなければな…」
「さて、ミコ…手を貸してくれ…」
「…?」
タイウィンに促され、左手を差し出すと…
中指に金色の指輪が嵌められた。
薬指の婚約指輪に並び、金色がキラリと輝く。
「こ、これ…どうしたの…?」
「ん?プレゼントだが?」
「え…っと……高い…よね?」
「金など腐るほどある。お前に使う以外用のないものだから、気にするな…♡」
「く…っ…私は急だったおかげで、何も用意していない…貴方ばかり…悔しい…」
「タウは気にしなくていいよ…!?むしろ、こんな物を貰えると思わなくて…」
「ふふ、これでまた俺のものである証拠が増えたな…♡」
「わ、私のものでもある!」
5/6
prev next△