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心から想っているというのに、言葉にしようと思う途端に躊躇が現れる。
私は本当に君のことを好きで、愛しているというのに…
言葉という愛情表現を施せずに、どうして愛を伝えられようか?
そう思うのだが、肝心の本人には私の愛情は伝わっているらしい。

「優しく触ってくれる手とか…キスとか…そういうので、エドの気持ちは分かってるつもりだよ…?」
「そう、なのか…?言葉を聞けなくて寂しくないのか?」
「もちろん、好きって言われたいけど…大切にしてくれる態度は伝わるから…」
「……ミコ…っ!」
「きゃっ…!?」

愛しさのあまり力強く抱きしめてしまう。
こんなにも私に寛容で良いのだろうか…!?
私はこの心に甘えてはいないか?
君が良いと言っても、私は自分の行為を許容することはできない。
少しでも改善しなければならない。
君に見飽きられないように。

「ミコ、好きだ…」
「うん…」
「好きだ…あ、愛している…」
「…うんっ…」
「抱いてもいいか…?」
「良いよ…?」
「ありがとう、ミコ…可愛いぞ…」
「…っ♡」

普段、言いづらそうにしているエドからの愛の言葉。
いざ言われると、とてもドキドキして…私も言われ慣れていないことに気づく。
私からもいつものように好きって言いたいのに、嬉しさに言葉が詰まる。
降り落ちるキスの応えに抱きしめる事しかできなかった。
ふと、エドが私と見つめ合う。

「…なんて顔をしているんだ…っ…!」
「………」
「そんな可愛らしい表情を見せられては…っ…!」
「…、…」
「…そうか…私が言い慣れてないなら、君も言われ慣れていないのか…?」
「……凄くドキドキしてる…」
「……そういうことか……なら、私も少しは……」

耳元で囁くように何度も愛を紡がれる。
そのたびに、くすぐったさと甘い響きに襲われる。
これ、ダメかも…
先に言葉の愛情で逆上せてしまいそう…
何度も甘い言葉とキスを施されて、すっかり夢中にさせられてしまった。
エドもそんな私の様子にどんどん言葉に拍車がかかり、私の方が参ってしまう。

「だめだ…今まで伝えられなかった分、言わせてくれ…」
「で…でも…もうお腹いっぱい…!」
「何を言ってるんだ…まだ序の口だぞ…?本番はこれからだ…」
「わ、私……エドが居ないと駄目になっちゃいそう…っ!」
「駄目になっても良いぞ。私が責任を持って、君を愛すると誓おう。」
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