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抑えきれない感情のまま、両手を胸に伸ばす。
だ、だめだ…感情のままこのような事など…
胸の柔い感触に触れた途端に、そんな躊躇心は吹き飛んでしまった。
ただ無心に胸を揉みしだく。

「え…エド……胸…揉んじゃだめ…」
「…………」
「ひあっ…!?手冷た…っ…」
「………、…」
「や…っ!エド…!?」

手の甲のサファイアから熱い熱が伝わってくる。
欲情した時のこの感覚は、あまり好きでは無い。
が、彼女にもっと触れたくなる。
発散すれば、する前より体の調子が良くなる。
この熱を持たせたのは君だ…
…介抱するのも君の役目なんだ…

「大人しくしてくれ…」
「で…でも……」
「一回だけ……一回で治まるはずだ…」
「うぅ……分かった……」
「はぁ……ミコ…」
「ん……っ♡♡ん…♡♡♡んぅ…♡♡」

とくに酷く抵抗するわけでもなく、私からのキスを受け入れた。
性欲処理のような扱いを受けて嫌がらないのか?
それともそんな風には捉えていないのか?
…確か、私に求められるのは嬉しいと聞いたような…
まさか、どんな状況でも喜んでいるのか…?

「は…♡幻滅しないのか…?」
「しないよ…エドの事、大好きだから…むしろ嬉しいかも…」
「もしも、君を抱くのはただの性欲処理のため、と言ったらどうする?」
「私の体で治まるのなら、喜んで…なんて、少し変だけど……」
「…私に求められるのが好きなんだな。」
「エドに触ってもらえると嬉しいの…もっと触ってほしいな…」
「君って子は…っ…!」

予想外に私にベタ惚れな様子に、こちらが照れてしまう。
どうやら私相手であれば、嫌なことはないらしい。
こんな劣情を抱くのもミコにだけだが…
ならば、少しは目に見えた独占をしても良いということか?
ミコを私の者だと、見せつけるような事をしても…?
考えるより先に口先は動き、肌に強く吸い付き痕を残した。
君は優しすぎる…私はただの卑怯者だ…

「エドはね…欲情するのは嫌って言ってたけど…私は構わないと思うよ。」
「どうしてだ?醜くないのか?」
「それって、私の事を好きだと思ってくれているから…だよね?」
「まぁ、裏返せばそうなるな…」
「なかなか、言葉には出来なくても、行動で分かるのなら、もっと見せてほしいなって思うの。」
「すまない……言葉足らずだったか…そ、その……ミコ…好きだぞ…」
「うん…もう伝わってるよ…」
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