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それから数ヵ月後。孫兵となのかは二人の新しい新居の前に経っていた。平和な城の城下町、にぎやかな町から少し離れたおんぼろの民家だ。しかし村に住んでいた以前よりも広く、畑と庭もある。

「本当に大丈夫?町中に来ちゃって」

孫兵はあれからここを治める城の忍者に就職した。竹谷の仕事を手伝っていた繋がりで紹介された城だった。そこの忍者隊は奇術を得意としており、毒虫を操り生き物に詳しい孫兵を心強い忍者だととても歓迎した。彼も自分らしく忍者をできているらしく、毎日充実しているようだ。

そこで孫兵は村で共に暮らしていたなのかを連れてこの町に越すことにしたのだ。

「うん。この方が都合いいし。君は実家から離れちゃったけど、大丈夫?」

孫兵は一時期人を寄せ付けたくないと山で暮らしていたほど人を避けていた。しかしこうして町の近くに越してきて大丈夫なのかとなのかは思っていた。

孫兵も、彼女が暮らしなれた村から離れてしまうことに少し躊躇いがあった。

「うん。両親は仲良くしろってむしろ送られちゃったし…」
「そっか。僕は別に場所とか気にしなくなったし、君やこの子達がいればどこでも。あと…」

二人は新居の隣の小さな家へと視線を向ける。その家から竹谷がぴょこりと顔を出した。

「お、来たなぁ?二人とも」

にっこりといつもの明るい笑顔を向ける竹谷。実は彼は以前からこの町に住んでいたのだ。今回の引っ越しで竹谷とは隣人の関係になった。

「これからよろしくお願いしますね」
「竹谷先輩がいらっしゃると心強いです」

二人が頭を下げると竹谷は乾いた笑いをする。

「あはは…くれぐれも毒虫を逃がすなよ!」 
「竹谷先輩がいらっしゃると心強いです」
「二度も言うなよ!まったく、きっと俺はずっとお前の面倒を見る運命なんだな…」

そんな和やかな会話をして竹谷は用事があると言ってそのまま家を出ていき町の方へ行く。なのかは改めて今日から始まる新しい日々に期待と、少しの不安が胸をよぎった。その不安げな瞳を孫兵に向けると彼はすぐになのかの気持ちを察して肩を寄せた。

「大丈夫。なのかと・・・みんなと一緒にいられるなら、僕は強くなれるから絶対、君を守るよ。だからずっと一緒にいよう?」

孫兵の言葉は不思議だった。その言葉でなのかは先程の不安が薄らいでいく。これから始まる毎日はきっともっと騒がしい日々になるだろう。孫兵がいつものよう毒虫を散歩させて、聞いた竹谷が慌てて回収しにいく。それに自分も参加させられたりして・・・そんな毎日だ。

「うん。よろしくお願いします」

白蛇のこはくはそんな二人の様子をどこからともなく見守っていた。友である二人の新しい生活がどうか幸せであるようにと、彼女はあの山から静かにみつめていようと思った。

──そのさらに一年後タニグクは散り散りとなり消滅し、彼らと協力関係にあった城も戦に負けてあっけなく落城した。しかしそんなことは彼らにとって大事なことではない。この話は、会うことなどなかったであろう、蛇と守宮の愛を語る物語であるのだから。


蛇と守宮 ー完ー




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