こんにちは異世界
    #1

    「生徒の安否を確認したいからゲート前に集まってくれ」



    バチッ・・・バチバチ・・・!


    人命救助訓練で敵の襲撃を受け、プロヒーローの助けでヴィランは退却したもののプロの世界を経験し、己の無力さを痛感しつつも「終わった」と皆が安心している時、

    先程まで敵対していた黒モヤのワープのようで違う黒い穴が音を立てながら現れた。
    「まだ終わってないのか」とその場の全員に緊張が走る


    バチバチッ・・・・・・


    音が止んだと思えば、黒い穴から二つの人影が現れドサドサッという大きな音を立てその場に落ちてきた












    「うわっ・・・」


    受け身を取る暇もなく投げ出され、座り込みながらどうにか頭を回し状況を思い出す


    ・・・ええっと防衛任務に今日はやけに近界民ネイバーが多く現れたから太刀川さんと討伐数勝負してて・・
    そうだ、急にでかいゲートが現れて逃げ損ねた唯我を吹っ飛ばしてる隙に私と出水が飲み込まれたんだ


    「・・・どこだここ」

    「!出水!?」

    「・・名前?俺らどーなったんだ?」

    ゲートに飲み込まれて・・・・出水、ちょっと不味い状況かも・・・」


    出水がいることに安心し、冷静に周りを見渡して見ると結構な人数が私たちを警戒するように見ている。

    ゲートに飲み込まれてここについたってことはここは近界ってことか・・・?
    完全に囲まれてる状況だし迂闊に動けない・・

    緊張に包まれた空間の中、落ちた状態のまま座り込んでいた出水が立ち上がる


    「・・・えーっと、ボク達ボーダーなんですけど、ここはどこでしょうか?」



    「ボーダー?」と言って困惑したような雰囲気を出している様子を見てここは近界だと確信する

    嫌な汗が流れるのを感じながら出水を顔を見合わせていると、色素の薄いツンツンした髪の人物がすごい勢いでこちらに向かってくる
    「おい!爆豪!」「やめろ!!」と周りが騒ぎ立てる中、BOM!!BOM!!と爆発しながら急接近をしてくるツンツン髪


    「よくわかんねぇが怪しい奴は死ね!!!!」

    「うおっ、ふ、両防御フルガード!!」

    「あァ!?ンだこれ、てめェバリア系の個性か」

    「バリア系の個性・・・?っと、戦う気はないのでちょっと落ち着いてほしいな〜なんて」



    急接近してきたツンツン君が殴りかかってくるような動きをしたので思わずシールドを発動させつつ距離を取るために後ろに跳ぶ


    手から爆発したように見えたから爆発系のトリガーか・・?わざわざ急接近してきたってことは遠距離には飛ばせないタイプっぽいし距離が近いのはまずいな
    出水も同じことを思っているのか私と同じような動きをしている


    「怪しい奴は否定できねえけど物騒な奴だな!」

    「・・・・出水、ほんとに不味いことになってる。緊急脱出ベイルアウトがつかえない」

    「は!?・・・・マジだな、やっぱここ近界ネイバーフッドかよ。どうするよ。あのツン髪めっちゃ殺しにきてっけど」


    ツン髪呼びしてることに、出水も同じ思考してるな、と不味い状況ながらに少し笑ってしまう


    「・・・とりあえず話きいてもらうしかないっしょ。あのツンツン君はともかく他の周りの人らは冷静に状況を見てるみたいだし」

    「んじゃこっちから攻撃すんのも不味いな。敵意を向けずにツン髪をどうにかしねえと」

    「・・・・鉛弾レッドバレッドいれとけばよかった」

    「うだうだブツブツうるッせェなァ!死ねやクソモブが!!」

    「あぶねっ、通常弾アステロイド!」

    「ッ!」



    爆風で飛びながらまたもツンツン君が接近してきたので、出水が動きを止めるために足元に向けて通常弾アステロイドを打つと思惑通り急な反撃にツンツン君の動きが止まる。



    「キツネ目は弾放出系か、没個性なんざ俺の敵じゃねえなァ!!」

    「ブフッ!!」

    「はぁ!?名前!笑ってんじゃねえよ!ツン髪ちょっと落ち着けって!」

    「あァ!?誰がツン髪だ!!」


    言い争いつつも攻防を繰り広げていると、ツンツン君と私たちの間の地面が盛り上がりあっという間に結構な高さの壁が造られ、ツンツン君との攻防は遮られた


    「うわっ、なにこれ壁?」

    「エスクードみたいなやつか?」


    向こう側から「邪魔すんな!!」なんて叫び声が聞こえてくるのを聞きつつ、これからの事を考えると不安と絶望が渦巻く。


    「・・・・せめて出水と一緒だったのが救いかあ・・」

    「お?珍しい名前ちゃんのデレ期か?」

    「欲を言えば烏丸君がよかった」

    「言うんじゃねえよイケメン好きが」

    「弾バカって呼ばれるのとキツネ目って呼ばれるのどっちがいい?」

    「どっちもよくねえよ!」



    いつもの様なやりとりにクスクスと笑いが毀れる。
    ・・・・本当に出水が一緒だったのが救いだ。

    思わず笑ってしまった私を安心したように見ていた出水の視線には気付かなかった。