「そんなに風紀が大事かな」
「風紀を乱す様な奴がいたら、目障りでしょ」

目障り、の部分に依泉は激しく同意した。

「でも、それを率先して改善しようとする恭弥の精神は理解し難い」
「依泉はひとつの事に打ち込んだり出来ないからね」
「出来ないんじゃない、しないだけ」

ある意味名言とも言える台詞だが、理由は何とも単純単調。委員なんて面倒臭い。それに雲雀は怪しく笑った。

「そう?結構楽しいよ。学校を支配出来るのって」

これぞ一番の楽しみという風に雲雀は言ったが、じとっと乗り気でないらしい依泉の発した「書類」の言葉に一蹴された。

「楽しいとは言えないね」
「でしょ」
「でも群れる奴らを咬み殺しても、誰も咎めないからね」
「それは羨ましい」

彼女らの価値観は凡人には理解できはしない。少し食い付いた依泉を使って、雲雀は人数の不足に悩まされていた委員会への勧誘をしてみるが、おおよそ2秒で玉砕する。しつこく言った所で結果は変わりはしない。分かっているからこその沈黙が生まれた。

「……ところで今日の弁当、どう思う?」

「何が?」「味」お互い最低限の言葉で会話を進める。珍しく、話しかけたのは依泉からだった。

「……いつもと違う気もしなくはない」
「まどろっこしい。5段階評価」
「4」
「ふーん」
「……なんなの」

意図の掴めない質問をされ一人で納得された雲雀の機嫌は下降する一方である。

「うん。今日のお弁当、実は私が作ったんだよ」
「……は?料理できたんだ」
「黙れ失礼な奴め」

味音痴らしい依泉は自分ではよく分からないと主張したのだが、雲雀はそれに気を悪くしたようでムスッと顔をしかめながら僕は実験台じゃないよ。と言った。

「……まあ、それなりに美味しかったんじゃない」
「……ありがと」

呟くように言われたお礼の言葉に、雲雀はへぇと意外そうに唸る。それが気に障ったのか、何なんだと依泉は睨んだのだが、それに屈する雲雀ではない。

「君、お礼の言葉なんて言えるんだ」
「……咬み殺そうか?」
「また食後の運動かい?」

金属が小さくぶつかる音がする。依泉が服の裾から覗かせたのはギラリと怪しい光を放つトンファーだった。それに応えるように雲雀も懐から同じ鉄の色を取り出す。お互い利き手に箸を持ったままながら、戦闘準備は万全である。その緊迫した空気の中、笑んだのは依泉だった。

「はっ。そうかもね」
「……君、いつもそうやって笑うよね。可愛げがないね」
「誰のせいかな」

ニヤリ。依泉と同じように少年の口許が綺麗な弧を描く。

「僕のせいかい?」


君のせい

食事を終えた少女は箸を置き、弁当箱を素早く片付けた。雲雀の前は既に綺麗に片付いている。依泉はおもむろに立ち上がった。

さて、今日は勝ちに行こうか。


end.
‐‐‐‐‐‐
原作ではメインキャラクター達の仕業だった校庭爆破を、事務処理上根津さんの責任にしてみました。リボーンの仕業って事で。

執筆2007.11.10.sat
加筆2009.02.01.sun

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