「ま、とにかくお騒がせしちゃってごめんね。昼食まだだったんでしょ?」
「依泉もか?」

返事の代わりに、依泉はうーん……と曖昧に唸る。科学班である彼女は元々、仕事に追われる毎日から不規則、不健康極まりない生活を送っている。それは今日とて例外ではなく、正午をとっくに過ぎていようが安息どころか昼食を満足にとる暇すら、科学班一同には今現在見通しがつかないのだ。
それを表すかのように、今回の件についても仕事に追われ結局殆んどの班員が若いと言えど、か弱い少女を機械捕獲員として見送ったのだ。

「……今日非番だし、手伝ってやろうか?」

中々聞けない神田からの優しい台詞を聞いた依泉は、どういう風の吹き回しかと問うた挙げ句最後は不気味!と叫んだ。失礼だと言う神田は正論だが、言われる要素のあった彼も彼。

「言っとくけど手伝うっつってもコレ運ぶだけだからな!」

びしっと神田が自棄になったように指差したのは、例のがらくた……もといコムリン3である。それを目にした依泉の表情が輝いた。

「あ、それ助かる!ちょうど私だけじゃキツイと思ってたんだよね」

他の科学班お抱えの仕事もしてくれれば、更に助かったりするんだけどと本音を含んだ台詞の後、即答で帰ってきたのは拒否のお言葉。先程までの優しさはどこへやら。書類なんかやってられるかとうんざりした神田に、ああ、と突然冷静になった依泉はそれは良いよと手を横に振った。

「神田に書類整理手伝ってもらおうなんて淡い期待なんてしてないから」
「さっきからお前言葉選ぶとかできねぇのかよ」
「神田に言われたくないね」

一抜けたとでも言うように食堂に出戻ろうとした神田の考えは失敗した。

「さぁ神田っ!ここじゃ皆の邪魔にしかならない、さっさとコムリン回収しようじゃないの!」

テンションも高らかに依泉はコムリンを指差す。今更と言えば今更なのだが思えば此処は食事時の食堂前で、そこに巨大な潰れた機械が横たわっているのは依泉の言う通り、どう考えても邪魔である。

「は?だから俺は……」

昼食をと続く筈の訴えは遮られる。道行く団員達は神田に恐れを抱きながらも、このペアに慣れているのかあまり気にせず通り過ぎて行く。

「手伝ってくれるって言ったよね?絶対言った。ほら早く、有言は実行するもんだよ!」
「いや、実行も何も俺は今から、」
「良いから、さっさと行こう!それともなぁに、神田はか弱い女の子一人にこんな大きなロボ運ばせるの?」

神田はそんな人でなしだったのね?
お前か弱くないだろ。
何か言ったかな?
……運べば良いんだろ。

しがない会話である。

「よくお分りで!運べば良いの」

ここでやってらんねぇ、とでも言って不機嫌に去っていくのが彼なのだが、弱味でも握られているかのように神田は大きく溜め息をついて、仕方なしと言ったようによたよたと機械へと足を向けた。間も無くして廊下にズルズルズルと音がする。時折がしゃんとものの崩れる音が響いて、その都度神田が愚痴を溢した。

「……ったく、何で俺がこんな事」
「そう言いながらも結局は手伝ってくれるんだよね」

「ユウ君優しー」手伝わせたの間違いだ、と呟いた神田の隣で、棒読みの台詞…それも爆弾発言が発された。


悪知恵同盟

結局のところ、付かず離れずという言葉の似合う程度に2人は結構仲良しだったりするのです。

「ぶった斬るぞテメェ!」
「やだな冗談だよ」


end.
‐‐‐‐‐‐
駄文過ぎて修復不可能=原型を無くした別物に。
すみません私の未熟さ故です。元は『喧嘩友達』でした。

ちなみに神田が言ってた実験室を見たがる物好きさんはアレン短編夢『Go steady go!』のヒロインだったり……。
特に繋げた意味は無いです……が、ここまでくるとラビ夢とか書いてそこにこのヒロインちょっとだけ登場させたいなぁとか思うのです。(飽く迄願望)

執筆2007.07.16.mon
加筆2009.01.03.sat


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