:D,Gray-man+家庭教師ヒットマンREBORN!
:神田ユウ(&獄寺隼人)


「今回の任務先は日本に位置する、並盛という町だ」

そうコムイ室長から任務通達を受けたのは、今は昔……なんて訳も無くほんの数時間前の事。緋色に染まった木々の葉が美しく揺れ落ちる紅葉の季節。静かに一軒家の建ち並ぶ住宅街。
正直に言って早速、私達は困っていた。

「あぁ?何だテメェら」

明らかにガラの悪い、不良らしき少年を目の前に。



コムイ室長との会話を思い出すように、私は頭をフル回転させた。

今回の任務先である此処、並盛町は元々何か突出して有名な事がある訳でもない、平凡も平凡な日本中での知名度も五段階で言うと最低のEくらいと思われる所だった。
ところが最近そんな平凡に水を刺すように、変わった人達が出現しているらしい。それからと言うもの、爆発音や銃声は当たり前。突如性格の変わる奇人、変人。ごく最近なんてビルの爆発だってあったそうだ。

奇怪と呼ぶに相応しくないような気もするが、不可思議が起こっている事実に間違いはない。
念の為、行って調べて来てくれるかい?とエクソシスト神田ユウに問い、了承を確認すると(正しくは舌打ちしたのだけれど、彼のそれは暗黙の了解と取っている)、コムイさんはちらりと部屋の端にいる私に視線を向けた。私は私で、二度目の説明にうんざりしながらも軽く頷いた。やっと出番だ。

「今回の任務は探索部隊も1人しかつけられなかったんだけど……神田君、大丈夫?」
「当たり前だろ」

寧ろ足手まといになるような馬鹿なら俺ひとりの方が良い。だなんて書類片手に言っちゃって、流石冷徹。言う事が違う。

「そうかい?それじゃ紹介するね。今回同行してもらう探索部隊は、依泉ちゃんだ!」
「…………は?」
「どーもお久し振りです、神田さん!今回共に行動させていただく可愛い可愛い幼馴染みの依泉ですよー。また宜しくお願いしますね!」

多少長めの紹介をしたに関わらず、少しの間の後には舌を打つ音だけが部屋に響いた。

「ちょっ……いきなり舌打ちとか酷くないですか!」
「なんでよりによってテメェが次の任務に同行する探索部隊なんだよ。馬鹿は要らねぇ」

馬鹿の言葉に密かにダメージを受けながら、私は「仕方ないじゃないですか!」と抗議を始める。何て言っても今回の任務先は日本。偶然なのか何なのか、現在教団には日本語を理解する探索部隊が私しか残ってはいなかったのだ。
それを聞いて諦めたのか、私の必死さに呆れたのか、神田さんは溜め息を吐いてから、ようやく折れた。

「……足引っ張んじゃねぇぞ」
「頑張りますっ!」



そうして着いた日本、並盛。しかしいざ聞き込み調査をしようにもいつもこうなのか人通りは少なく、中々聞く相手が見当たらない。ちょうど通りかかった銀の髪を揺らす少し自分達より幼いであろう少年に、話を聞かせてもらおうと話しかけたのだけど。

「あぁ?何だテメェら」

ここで冒頭の台詞に戻った訳だ。先ず、第一声からして印象が悪かった。正に不良という言葉がお似合いの。ちなみに神田さんは我関せずといった風に一歩下がった場所でそっぽを向いている。(確かに、こういうのは探索部隊の仕事だけど!)
どうせこんな島国の住人、英語なら大丈夫だろうと油断して、性格が悪そうだの言ってしまい、直後後悔した。反論の言葉に驚かされていると、英語なんて出来て当然とでも言うように返される。こんな子供で当たり前なんて、近頃は随分と国際的になったもんだなあ。関心していると「獄寺君!」と遠くから声が聞こえて、図らずして全員同時に振り返ってしまった。

「10代目!」
「は?」

不良君の目付きが変わった。取扱注意な猛犬が飼い慣らされた忠犬に早変わりするかのように、コロッと。

「ちょ……っ獄寺君!なんで一般人に絡んでんの!?」

正直な所第一印象は、「話が通じそう」だと思った。とりあえずいきなり喧嘩腰の獄寺と呼ばれた不良よりは数段話が早いだろう。

「違うんスよ10代目!いきなり話し掛けて来たし、こいつらなんか」

怪しい、と続く筈だった言葉は発される事はなかった。私が遮ったからである。

「何?10代目って……名前?」
「んなっ!?ち、違います!名前は沢田綱吉です」

慌ててされた自己紹介にへえという相槌と共にこちらも名乗る。続けて神田さんも紹介しようとすれば、ギンッと冷たく痛い視線が背中に刺さる。ああ、彼のファーストネームを口にするのは禁止事項だった。命は惜しいので、彼らには『神田さん』だという言葉に留めておいた。


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