「……伊東センセーじゃねェですか」

沖田隊長が皮肉ぽく言った隣で、副長の舌打ちが聞こえた。あぁ、ヤバいかもしれない。

「武士たるもの常に冷静でいるべきだ。喚くのは止めたまえ」

伊東鴨太郎……頭も腕っぷしもキレる実力者。何かと副長との仲は険悪。追記情報、

「説教たァご苦労なこったな」
「元反逆者とは思えねぇや」

元近藤勲局長殺人未遂者である。
副長の皮肉に続き、早速触れてはいけない話題に踏み込むはサディスティック星の王子。絶対わざとだろソレ……!

「ちょ……っ沖田隊長!」
「なんでィ山崎。事実だろ?」

得意気に笑う隊長の表情は沈黙より遥か分かりやすい肯定を意味した。
それはもう終わった事で、今となっては本当に頼れる人物……の筈だ。

「しかし……!」


ドゴォォオンッ

屯所に派手な爆音が響き、一触即発誰が先に剣を抜くかという空気は一瞬にして吹き飛んだ。
取り繕おとしていた俺を含めその場の全員が口を閉じ、反射的に音のした方を見やる。玄関口の方であるが、其所には立派な程に堂々と黒い煙が舞い上がっていた。

「……何の騒ぎだ?」

いつも以上に目を鋭くさせた副長の台詞の後、遠くで聞き慣れない声が叫んだ。溜め息を吐くのはやはり、もうこんな日常に馴れてしまっているからか。

「おのれ幕府の犬共が!」
「醺藏さんの仇!」

弱い犬ほど何とやら。それこそ吠え散らす犬のような声に、我ら真選組を罵倒されるとは全く心外。

「……醺藏ってーと昨日潰したとこの頭じゃありませんでした?」

挑発的な口調だったそれに乗るどころか全く気にする様子もなく、沖田隊長が冷静に分析する。返事の変わりに副長がひとつ憂いの息を溢した。

「……まだ仲間がいたみてぇだな」

その言葉を合図に全員が刀の鞘に手を付けた。戦闘準備は当にできている。

「行くぞテメェら」

たかが名もない攘夷浪士の寄せ集めどもが、御上に敵うと思うてか。足元に立ちはだかるは俺達幕府の飼い犬よ。


武装警察真選組24時!

‐‐‐‐‐‐

伊東さんが登場するとこ捏造ですね。夢ヒロインいないと勝手が分からん……。
因みに名前だけちらっと出た醺藏はよくらと読みます。厳つい感じにしたかったんです。←

相互記念、『銀色の魔法』管理人のしろのみお持ち帰り可能。相互感謝です!


執筆2008.12.31.wed
加筆2009.05.13.wed

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