「嫉妬心、なんて嬉しいじゃない」

思い出話に華を咲かせるある日の夕方。ちょうどあの出来事からは4年が経とうとしていて、ちょうど今日は梅雨らしい雨の日で、それらが記憶を呼び覚ましてしまったらしく。ちょうど非番の彼女はそう言ってにこりと笑んだ。

「今思えばあれが私の黒歴史だよ……」

大きく衝突(正しくは一方的だけど)した彼女、リナリーとはあの件以来何でも気兼ねなく話せる大親友となっていた。私にとってはお姉さんという感覚も少しある。その仲良しっぷりと言ったら、あの日の出来事を知る科学班員がしばらく対応に困ったくらいだ。
今も私は黒の教団本部の科学班に出勤している。4年前と違うのは、下っ端お手伝いでなくなった事。私の頑張りが評価されたらしく、そのまま超エリートである本部科学班員の仲間入りをしてしまったのが約1年前。とは言えまだ子どものせいか365日24時間仕事の日々、という事は未だにさせてもらった事はないのだけど、彼らの役に立てている気がして嬉しい事に変わりない。更に言えばその提案者は他でもない、なんとコムイ室長だった。

4年前、リナリーに引き連れられて大人しく手当を受けた私はそれが終わると同時に走っていた。目指すは科学班。一刻も早く皆に迷惑をかけた事を謝りたかった。けれど、着いた先の科学班でまたしても私の謝罪は謝罪に遮られた。
一番酷い事を口走ったのはお前だ、と若い科学班員の一人が吊し上げるように前に出され、特別申し訳なさそうに謝罪をされた。もう一人前に出たのはコムイ室長で、彼からも深く頭を下げられる事となった。どうやらこの2人は私がいない間も班長達からこってり搾られていたらしい。リーバー班長に至っては、私の心境に気付いてあげられなかったからという理由での謝罪。
糸が切れたように恥ずかしげもなく泣き出した私はよく覚えてないけれど、その時ひたすら謝っていたのだとか。その様子を見たリナリーが満足したように笑っていたからなんとも言えない。

それから勿論神田の部屋も訪ねて気遣ってくれたのにそれを無下にした事を謝罪をした。その時の神田が「良かったな」と僅かに笑んで、その笑顔にどきりとしたのは秘密だ。

「まぁでも、周りからすれば丸分かりよね」
「えっうそ!?」

やっぱりリナリーはエスパーらしい。どうしてそこまで考えてる事分かるんだろう。もう4年の付き合いになるけれど、まだそれは未解明のままだ。

「じゃあ、リナリーはラビでしょ?」

半分当てずっぽうだけど、見当違いとまでは言えないと思う。ここではそういう対象も年齢的に少ないし、ラビの人の好さはリナリーと合っているし、周りから見ても2人が並べば美男美女だ。

「んーどっちかって言うとアレン君派だったりして」
「えっうそ!?」

さっきと同じ反応をしてしまった自分がちょっと情けない。アレン君とは少し前にエクソシストとして黒の教団に入団してきた少年だ。私のひとつ年上(推定)なので、リナリーのひとつ年下だ。まさかリナリーが年下狙いとは思わなかった。いや、これは偏見かな。

「さぁ……どうかなあ?」
「あっずるい!教えてよ」

件の男性3人組は現在それぞれ任務中なので、こういう話をあまり一目気にせずできてしまう。まぁ、ここはリナリーに宛がわれた個室なのでどちらにせよ誰も聞いてないのだけど。話の最後にはいつもリナリーが可笑しそうに笑って、つられて私も笑う事になる。箸が転んでもおかしいお年頃、という事にしておく。


幼いなりの

end.
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ようやっく完成しましたー。かなり前から設定に詰まり進行に詰まり長らく携帯の中に眠っていた話。
実は最初の時点で8割位はできてた気がするので、書き方と話の進行が若干幼い。

流れの都合で原作と噛み合わない時間軸設定が多々ありますがお気にせず。筆起こした当初はファンブック発売前だし……ね!^^;

執筆開始(多分)2008.04
掲載2010.12.11.sat

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